【保存版】個人事業主の勘定科目一覧|よく使う経費と仕訳例を現役税務スタッフが解説

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「この支払いって、何の勘定科目で処理すればいいの?」
「消耗品費と雑費、どっちを使えばいい?」
「スマホ代やChatGPT、出張代は何費になる?」

個人事業主として帳簿をつけていると、このように「経費にはできそうだけど、勘定科目が分からない」という場面が頻繁に出てきます。

特に開業したばかりの方は、「通信費」「消耗品費」「旅費交通費」「新聞図書費」「支払手数料」など似たような科目が多く、迷ってしまうのではないでしょうか。

しかし、勘定科目について最初に知っておきたいのは、すべての支出について全国共通の「絶対にこの科目でなければダメ」というルールがあるわけではないということです。

大切なのは、事業の実態に合った勘定科目を使い、いったん決めた処理方法を継続して使うことです。

この記事では、日々多くの法人・個人事業主の会計処理に携わっている現役税務会計スタッフの視点から、個人事業主がよく使う勘定科目と具体的な支出例、仕訳例、判断に迷いやすいポイントまでまとめて解説します。

【まず結論】よく使う勘定科目早見表

  • スマホ・インターネット代:通信費
  • 文房具・少額の備品:消耗品費
  • 電車・バス・タクシー:旅費交通費
  • 出張の新幹線・ホテル:旅費交通費
  • 仕事に必要な本・電子書籍:新聞図書費
  • 取引先との飲食:接待交際費
  • 仕事上の打ち合わせ:会議費
  • 事務所の家賃:地代家賃
  • 電気・ガス・水道:水道光熱費
  • 振込手数料など:支払手数料
  • 事業用の保険:損害保険料
  • 高額なPC・車など:原則として固定資産に計上し減価償却
目次

そもそも勘定科目とは?

勘定科目とは、簡単にいうと「お金の出入りを種類ごとに分類するための名前」です。

たとえば、仕事用のインターネット料金を支払った場合には「通信費」、電車で取引先へ行った場合には「旅費交通費」というように分類して帳簿へ記録します。

【仕訳例】仕事用スマホの通信料金5,000円を事業用口座から支払った

借方:通信費 5,000円 / 貸方:普通預金 5,000円

このように取引を勘定科目ごとに整理していくことで、「今年は通信費にいくら使ったのか」「広告費はいくらだったのか」などを把握できるようになります。

勘定科目は絶対に決まっているわけではない

初心者の方が特に勘違いしやすいのが、「この支払いには必ずこの勘定科目を使わなければならない」と思ってしまうことです。

実際には、取引の内容や事業の管理方法によって、複数の勘定科目が考えられるケースがあります。

たとえば仕事で使うクラウドサービスの料金なら、事業内容や管理方法によって「通信費」「支払手数料」などで処理することがあります。

重要なのは、取引内容を合理的に説明できる科目を選び、毎年なるべく同じルールで継続して処理することです。

💡 現役税務スタッフのワンポイントアドバイス:勘定科目より「経費になるか」が重要!

実務で「これは消耗品費ですか?雑費ですか?」という質問は非常に多いですが、それ以上に重要なのが「そもそも事業に必要な支出なのか」という点です。勘定科目を変えればプライベートな支出が経費になるわけではありません。まず「事業との関連性」を判断し、その後に適切な勘定科目を選ぶ、と考えると整理しやすくなります。

【保存版】個人事業主がよく使う勘定科目一覧

ここからは、個人事業主が日常的によく使う勘定科目を具体的に見ていきます。

1. 租税公課

事業に関係する税金や公的な負担金などを処理するときに使います。

  • 個人事業税
  • 事業用資産にかかる固定資産税
  • 自動車税のうち事業使用分
  • 印紙税

一方で、所得税や住民税などは原則として必要経費にはなりません。

2. 荷造運賃

商品を発送するための送料や梱包費などに使用します。

  • 宅配便
  • ゆうパック
  • 商品発送用の段ボール
  • 梱包材

3. 水道光熱費

事務所・店舗などで使用する電気、ガス、水道料金です。

自宅兼事務所の場合には、全額ではなく事業で使用した部分を合理的に家事按分して必要経費にします。

4. 旅費交通費

仕事上の移動や出張にかかった費用です。

  • 電車
  • バス
  • タクシー
  • 新幹線
  • 飛行機
  • 出張時のホテル代
  • 業務上必要な駐車料金など

ただし、旅行を兼ねている場合などは、事業部分とプライベート部分を分けて判断する必要があります。

5. 通信費

事業で使用する通信サービスにかかる費用です。

  • スマートフォンの通信料金
  • 固定電話料金
  • インターネット回線
  • 切手代
  • 業務上の郵送料など

スマホをプライベートと仕事の両方で使っている場合は、使用状況に応じて家事按分を行います。

6. 広告宣伝費

商品やサービスを宣伝して売上につなげるための費用です。

  • Google広告
  • SNS広告
  • チラシ制作費
  • Web広告
  • 看板制作費
  • 販促目的のWebサイト制作費など

7. 接待交際費

取引先や事業関係者との関係を円滑にするために支出した飲食代・贈答品代などです。

「誰と」「何の目的で」使ったのかを説明できるよう、領収書だけでなく相手や目的も記録しておくことをおすすめします。

8. 損害保険料

事業用資産などにかけている損害保険の保険料です。

自動車保険などプライベート利用と共通している場合には、事業使用分を合理的に区分します。

9. 修繕費

事業用の建物、設備、車両などを修理・維持するために支払った費用です。

ただし、単なる修理ではなく資産価値を高めたり使用可能期間を延ばしたりする支出については、単純に修繕費として一括経費にできず、資本的支出として資産計上が必要になる場合があります。

10. 消耗品費

仕事で使う比較的少額の備品・消耗品などに使用します。

  • 文房具
  • USBメモリ
  • マウス
  • キーボード
  • プリンター用品
  • 事務用品

ただし、金額が大きいパソコンや設備などは、単純に消耗品費として処理できず固定資産となる場合があります。

11. 減価償却費

パソコン・車・設備など、一定の固定資産を購入した場合に、取得価額を耐用年数などに応じて複数年にわたって必要経費にしていく際に使います。

【2026年の重要ポイント】少額資産の基本

10万円未満:原則として取得時に必要経費
10万円以上20万円未満:一定の要件で一括償却資産として3年間で必要経費化する方法あり
一定の青色申告者:2026年4月1日以後に取得した一定の資産について、取得価額40万円未満まで少額減価償却資産の特例を利用できる場合あり(年間合計300万円まで)

特に2026年4月以降は制度改正がありますので、以前の「30万円未満」という情報だけで判断しないよう注意しましょう。

12. 地代家賃

事務所・店舗・倉庫・駐車場などを借りるために支払う家賃等です。

自宅兼事務所の場合には、床面積や使用状況など合理的な基準によって事業部分を家事按分します。

13. 新聞図書費

事業に必要な情報収集や知識習得のために購入した書籍・新聞・専門誌などを処理するときによく使います。

  • 専門書
  • ビジネス書
  • 業界誌
  • 新聞
  • 電子書籍

ただし、事業と無関係な小説や趣味の雑誌などは、購入しただけで必要経費になるわけではありません。

14. 支払手数料

各種サービス利用に伴う手数料などを処理するときに使います。

  • 銀行振込手数料
  • 決済サービス手数料
  • 販売プラットフォームの手数料
  • 各種サービス利用手数料

15. 外注工賃・外注費

自分の事業の仕事の一部を外部の事業者・フリーランスなどへ依頼した場合に使用します。

  • Webライターへの記事作成依頼
  • デザイナーへの制作依頼
  • 動画編集の外注
  • Webサイト制作の外注など

16. 会議費

仕事上の会議・打ち合わせのために必要となった費用です。

カフェなどで取引先と打ち合わせを行った場合などに使用することがありますが、接待交際費との区分については「誰と・何の目的で・どのような支出をしたか」で判断します。

17. 雑費

他の勘定科目に当てはまりにくく、金額や発生頻度も大きくない費用を処理するときに使われる科目です。

ただし、「分からない支払いは全部雑費」にはしないことをおすすめします。

頻繁に発生する支出なら、通信費・消耗品費・支払手数料など実態に合った科目へ分類した方が帳簿の内容を把握しやすくなります。

💡 現役税務スタッフのワンポイントアドバイス:「雑費だらけ」の帳簿にしない!

日々の入力で科目に迷うたびに「とりあえず雑費」にしてしまうと、年末には雑費だけが不自然に大きくなることがあります。毎月発生する支出や金額の大きい支出は、内容に合った科目へ分類しておくと、確定申告だけでなく自分自身の経営分析もしやすくなります。

「事業主貸」と「事業主借」も覚えておこう

個人事業主ならではの重要な勘定科目が、「事業主貸」と「事業主借」です。

事業主貸:事業のお金をプライベート側へ出したときなど
事業主借:個人のお金を事業側へ入れたときなど

たとえば事業用口座からプライベートな買い物をした場合、その支払いを無理に「消耗品費」などへ入れるのではなく、事業主貸として処理します。

自宅・スマホ・車など私用兼用の場合は「家事按分」

個人事業主の場合、仕事とプライベートで同じものを使うことも珍しくありません。

代表例が、

  • 自宅兼事務所の家賃
  • 電気代
  • スマホ代
  • インターネット代
  • 自家用車

などです。

この場合、支払額のすべてを必要経費にするのではなく、事業で使用した部分を合理的な基準で区分して必要経費にします。

💡 現役税務スタッフのワンポイントアドバイス:按分割合より「根拠」が重要

「みんな50%くらいだから自分も50%」という決め方ではなく、自宅なら床面積や使用時間、車なら走行距離、スマホなら利用状況など、自分の事業実態に合わせた合理的な基準を作りましょう。後から説明できるよう、計算根拠をメモで残しておくのがおすすめです。

勘定科目に迷ったときの3つの判断手順

実際の帳簿付けで迷った場合には、次の順番で考えると整理しやすくなります。

STEP1:そもそも事業に必要な支出か?

まず必要経費になる支出なのかを判断します。

STEP2:何のために支払ったのか?

通信、移動、広告、備品など「支出目的」を考えます。

STEP3:過去と同じ処理になっているか?

同じ内容の取引について、なるべく継続した処理を行います。

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よくある質問

Q. 勘定科目を間違えたら税務調査で問題になりますか?

単純に科目を取り違えただけなのか、それとも本来必要経費にならない支出を必要経費にしているのかでは意味が異なります。

「消耗品費にするか雑費にするか」のような分類だけを見るのではなく、まずはその支出自体が事業上必要なものなのかを正しく判断することが重要です。

Q. 自分で勘定科目を作ってもいいですか?

事業の管理上必要であれば、取引内容が分かりやすくなるよう補助科目などを利用する方法があります。

たとえば「広告宣伝費」の中でも、Google広告、SNS広告などを補助科目で分けて管理すると、どの広告にいくら使ったか把握しやすくなります。

Q. 雑費を使ってはいけないのですか?

雑費という科目自体を使ってはいけないわけではありません。

ただし、何でも雑費にしてしまうと帳簿から支出内容を把握しにくくなります。継続的・高額な支出については、できるだけ実態に合った科目で処理するのがおすすめです。

Q. 個人のクレジットカードで事業経費を払った場合は?

個人のお金で事業上必要な支出を立て替えた場合には、「事業主借」を使って処理する方法があります。

ただし、事業が大きくなるにつれてプライベートと事業の取引が混在すると管理が複雑になるため、事業用口座・カードを分けておくと記帳がかなり楽になります。

まとめ:勘定科目は「事業との関連性+継続性」で考えよう

個人事業主の勘定科目は、一つひとつ丸暗記する必要はありません。

まずは、

  1. その支出は事業に必要なのか
  2. 何の目的で支払ったのか
  3. 過去と同じルールで処理しているか

という3点から考えていきましょう。

そして、スマホ代、自動車、家賃などプライベートと共通する支出については、事業で使った部分を合理的に区分することが重要です。

勘定科目に迷う取引が増えてきたら、クラウド会計ソフトを利用して記帳を効率化するのも一つの方法です。

日々の帳簿を正しく整理しておけば、確定申告直前になって大量の領収書を見ながら「これは何の支払いだった?」と悩む時間も大幅に減らせます。

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この記事を書いた人

biz-zeimu編集長(現役70社担当)のアバター biz-zeimu編集長(現役70社担当) 税務・会計メディア運営

東京都内の会計事務所に勤務する現役の税務・会計スタッフ。法人および個人事業主をあわせて常時70社以上の税務・会計実務をダイレクトに担当。現場で日々生じるリアルな決算・申告・経理課題の解決に携わる。

また、大学院において専門的な税法論文を執筆したバックグラウンドを持ち、法令に基づく厳密な理論と、現場の実務感覚の両面から正確な税務知識の追及を徹底している。

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実務経験に裏打ちされた一次情報と論理的根拠に基づき、事業者が本業に集中しながら最短で利益を最大化するための税務・会計ガイドを提供する。

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