「個人事業主なら毎月のスマホ代は経費にできる?」
「仕事とプライベートで同じスマホを使っている場合、何割まで経費にしていいの?」
「iPhoneの端末代も一括で経費にできる?」
こんな疑問を持っていませんか?
結論から言うと、個人事業主が仕事で使用しているスマホの通信料や端末代は、事業で使用している部分について必要経費にできます。
ただし、仕事とプライベートで同じスマホを使用している場合、プライベート分まで何となく全額経費にしてよいわけではありません。
このような場合には、実際の使用状況などをもとに「家事按分(かじあんぶん)」を行い、事業で使用している部分を合理的に区分することが重要です。
本記事では、現役で多くの個人事業主・法人のお客様を担当している税務会計スタッフの視点から、スマホ代を経費にできる条件・家事按分の考え方・端末代の処理・具体的な仕訳・実務上の注意点まで、どこよりも分かりやすく解説します!
【まず結論】個人事業主のスマホ代を経費にするポイント(早見表)
- ① 毎月の通信料:事業で使用している部分は必要経費にできる
- ② プライベート兼用:事業利用分とプライベート分を「家事按分」する
- ③ 仕事専用スマホ:実際に事業専用なら通信料を全額経費にできる場合がある
- ④ スマホ本体:取得価額によって一括経費・一括償却・減価償却など処理方法が変わる
- ⑤ 家事按分:「50%までならOK」といった一律の基準はない
- ⑥ 勘定科目:毎月の通信料金は一般的に「通信費」で処理する
- ⑦ 最重要:「なぜその割合なのか」を説明できる根拠を残しておく
個人事業主のスマホ代は経費にできる?
個人事業主が事業のためにスマホを使用している場合、事業で使用している部分の通信料などは必要経費にできます。
ポイントは、「個人事業主だからスマホ代を経費にできる」のではなく、その支出が事業を行うために必要なものかどうかです。
例えば、次のような用途でスマホを使用している個人事業主は多いでしょう。
- 取引先や顧客との電話
- 仕事用メールの送受信
- LINE・Slack・Chatworkなどでの業務連絡
- SNSを使った集客・情報発信
- インターネットでの業務上の情報収集
- Googleマップなどを使った訪問先の確認
- 会計ソフトや請求書アプリの利用
こうした事業上の利用に対応する部分は、必要経費として考えることができます。
【スマホ代の基本的な考え方】
仕事専用スマホ:事業上必要な通信料なら全額経費にできる場合がある
仕事+プライベート兼用:事業で使用している部分を家事按分して経費にする
完全なプライベート用:原則として事業の必要経費にはできない
スマホ代の家事按分は何%まで経費にできる?
仕事とプライベートで同じスマホを使っている場合、最も迷いやすいのが「何%まで経費にしていいのか?」という点です。
結論として、「スマホ代なら50%まで」「30%なら税務署に否認されない」といった一律の基準はありません。
重要なのは、何%という数字そのものではなく、「なぜその割合を事業使用分と判断したのか」を合理的に説明できることです。
家事按分の割合を決める方法
スマホの場合には、例えば次のような利用状況をもとに事業割合を検討できます。
- 仕事でスマホを使用している時間
- 仕事とプライベートそれぞれの通話時間
- 仕事でスマホを使用する日数
- メール・チャットなどの業務利用状況
- 仕事用アプリの利用状況
- SNSを業務で利用している時間
【具体例】月額10,000円のスマホ代を60%家事按分する場合
スマホ料金:10,000円
事業使用割合:60%
10,000円 × 60% = 6,000円
👉 事業分:6,000円
👉 プライベート分:4,000円
年間では、6,000円 × 12か月 = 72,000円を事業分として処理する計算になります。
💡 現役税務スタッフのワンポイントアドバイス:家事按分は「何%」より「根拠」が重要!
実務でも「仕事でも使っているので、とりあえず50%を経費にしています」というケースは珍しくありません。しかし大切なのは、50%という数字そのものではなく「なぜ50%なのかを説明できること」です。通話時間・業務時間・仕事で使用するアプリなど、自分の実際の利用状況をもとに割合を決め、簡単でも構わないのでその根拠を残しておくことをおすすめします。
仕事専用スマホなら100%経費にできる?
プライベート用と仕事用のスマホを完全に分けている場合、仕事専用スマホの通信料金が事業上必要なものであれば、全額を必要経費として処理できる場合があります。
仕事用スマホを別に持つことには、経理面でもメリットがあります。
- 家事按分の計算がシンプルになる
- 仕事とプライベートの通話履歴を分けられる
- 顧客へプライベート番号を教えずに済む
- 仕事用アプリやSNSを分離できる
ただし、「仕事用として契約した」という名目だけで100%経費になるわけではありません。
仕事専用という名目でも実際にはプライベートでも使用している場合には、利用実態に応じて判断する必要があります。
iPhoneなどのスマホ本体代も経費にできる?
毎月の通信料金だけでなく、iPhoneやAndroidなどのスマホ本体についても、事業で使用するものであれば必要経費の対象になります。
ただし、端末本体については取得価額によって経理処理が変わる点に注意が必要です。
取得価額10万円未満の場合
取得価額が10万円未満の減価償却資産については、原則として業務の用に供した年に取得価額を必要経費に算入することができます。
例えば、仕事専用として90,000円のスマホを購入して事業で使用した場合には、原則としてその年の必要経費として処理することが考えられます。
プライベートと兼用している場合には、端末代についても事業使用部分を考慮する必要があります。
取得価額10万円以上20万円未満の場合
取得価額が10万円以上20万円未満の場合には、一定の要件のもと「一括償却資産」として3年間で均等に必要経費へ算入する方法があります。
青色申告者なら少額減価償却資産の特例も確認
一定の要件を満たす青色申告者については、少額減価償却資産の取得価額を必要経費に算入できる特例があります。
取得時期や適用要件によって取扱いが変わるため、高額なスマホを購入した場合には、「買った年に全部経費でOK」と自己判断せず、取得価額とその時点の制度を確認することが重要です。
💡 現役税務スタッフのワンポイントアドバイス:分割払いでも「毎月の支払額」で判定しない!
高額なiPhoneを24回払いや36回払いで購入すると、「毎月の端末代が5,000円だから、そのまま通信費にすればいい」と考えてしまうケースがあります。しかし、資産としての処理を判断する際には、毎月の分割支払額だけではなく、端末そのものの取得価額や契約内容を確認することが重要です。携帯会社の請求書に通信料・端末代・オプション料金などがまとめて記載されている場合は、内訳まで確認しましょう。
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要チェック 【2026年最新】パソコン代はいくらから固定資産?10万・20万・40万の壁と即時経費にする判定ルールスマホを分割払いで購入した場合はどう処理する?
最近のiPhoneなどは本体価格が高額なため、24回払いや36回払いで購入する方も多いでしょう。
ここで注意したいのが、毎月の支払額だけを見て経費処理を判断しないことです。
【例】15万円のスマホを30回払いで購入した場合
スマホ本体価格:150,000円
支払回数:30回
毎月の支払額:5,000円
👉 毎月5,000円だから「5,000円の備品を買った」と考えるわけではありません。
端末本体の取得価額や契約内容をもとに適切な処理を判断します。
携帯会社の毎月の請求書には、次のような費用がまとめて記載されている場合があります。
- 毎月の通信料金
- スマホ本体の分割代金
- 通話オプション
- 保証サービス
- その他の有料サービス
- 家族分の回線料金
請求額を丸ごと「通信費」にするのではなく、明細の内容まで確認しましょう。
スマホ代の勘定科目と具体的な仕訳方法
毎月のスマホ通信料金については、一般的に「通信費」として処理します。
ここでは、実際の仕訳をケース別に確認してみましょう。
ケース1:仕事専用スマホの通信料10,000円を事業用口座から支払った
【仕訳例】
(借方)通信費 10,000円 / (貸方)普通預金 10,000円
ケース2:10,000円のスマホ代を60%家事按分する
事業用口座から10,000円を支払い、そのうち60%を事業分とした場合には、事業分6,000円を「通信費」、プライベート分4,000円を「事業主貸」として処理する方法があります。
【仕訳例】
(借方)通信費 6,000円
(借方)事業主貸 4,000円
(貸方)普通預金 10,000円
ケース3:個人用カードで事業分6,000円を支払った
個人用クレジットカードなど、プライベート資金から事業上の費用を支払った場合には「事業主借」を使用する方法があります。
【仕訳例】
(借方)通信費 6,000円 / (貸方)事業主借 6,000円
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要チェック 【2026年最新】「事業主貸」と「事業主借」の違いとは?迷わない見分け方と仕訳例・決算処理を完全解説スマホケース・充電器・アプリ代も経費になる?
スマホを仕事で使っていると、本体や通信料金以外にもさまざまな費用が発生します。
【スマホ関連で経費になり得るもの】
- スマホケース
- 保護フィルム
- 充電器・USBケーブル
- モバイルバッテリー
- イヤホン・ヘッドセット
- クラウドストレージ
- 業務用アプリ
- セキュリティサービス
- スマホの保証サービス
これらについても、事業を行うために必要な支出であれば必要経費になる可能性があります。
ただし、「スマホに関係する商品だから経費」という判断ではありません。
例えば完全に趣味・プライベート目的で購入したイヤホンなどであれば、スマホと一緒に使用しているという理由だけで事業の必要経費になるわけではありません。
「この支出は事業を行うために必要だったのか?」という基本に戻って判断しましょう。
家族のスマホ代もまとめて経費にできる?
家族全員分のスマホ料金をまとめて契約している方も多いでしょう。
この場合、自分のスマホと一緒に引き落とされているという理由だけで、家族分までまとめて経費にするのは避けましょう。
家族がプライベートで使用しているスマホ料金は、原則として事業の必要経費にはなりません。
携帯会社の請求明細などを確認し、次のように区分します。
- 自分の回線料金
- 家族の回線料金
- スマホ本体の分割代金
- 各種オプション料金
- その他のサービス料金
さらに、自分のスマホも仕事とプライベートで兼用しているのであれば、そこから事業使用分を家事按分します。
スマホ代を経費にするときに残しておきたい資料
スマホ代を経費にする場合には、帳簿へ金額を入力するだけではなく、「なぜこの金額を経費にしたのか」を後から確認できる状態にしておくことが重要です。
【保存推奨】スマホ代で残しておきたい資料
- ① 携帯電話会社の利用明細
- ② スマホ本体の購入明細・領収書
- ③ クレジットカード利用明細
- ④ 契約内容を確認できる資料
- ⑤ 家事按分で使用した事業割合
- ⑥ その事業割合を決めた根拠
💡 現役税務スタッフのワンポイントアドバイス:家事按分は「根拠メモ」を残すのが鉄則!
家事按分の割合を決めても、数年後に帳簿を見返したときに「どうして60%にしたんだっけ?」となることがあります。そこで、「平日の業務時間・通話履歴・業務アプリの利用状況などから事業利用60%と判断」といった簡単なメモを残しておきましょう。また、働き方やスマホの利用状況が大きく変わった場合には、以前の割合をそのまま使い続けず、現在の実態に合っているか見直すことも大切です。
スマホ代を経費にするときの5つのNG例
NG① プライベート兼用なのに100%経費にする
仕事でも使用しているという理由だけで、プライベート利用分まで必要経費になるわけではありません。
兼用している場合には、利用実態に応じて事業使用分を合理的に区分しましょう。
NG② 根拠なく「50%」にする
「スマホなら50%程度」という一律のルールはありません。
自分の利用実態をもとに、合理的に説明できる割合を設定することが重要です。
NG③ 家族分のスマホ料金まで経費にする
家族のプライベート回線が同じ請求書に含まれている場合には、請求明細を確認して区分しましょう。
NG④ 高額なスマホ本体まで全部「通信費」にする
スマホ本体については取得価額などによって処理方法が変わる場合があります。
毎月の通信料金と端末本体代を区別して確認しましょう。
NG⑤ 家事按分の根拠を残していない
「60%を経費にした」という結果だけでなく、その割合を決めた理由や資料も残しておくことをおすすめします。
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要チェック 【2026年最新】個人事業主の経費はどこまでOK?税務調査で落とせる基準とNG例・家事按分を現役プロが解説クラウド会計ソフトならスマホ代の経理もラクになる
スマホ料金を銀行口座やクレジットカードから支払っている場合には、クラウド会計ソフトを利用することで日々の経理作業を効率化できます。
特に個人事業主の場合、仕事が忙しくなるほど「帳簿入力を後回しにしてしまう」というケースも少なくありません。
銀行口座やクレジットカードを会計ソフトと連携しておけば、取引明細を自動で取り込みながら仕訳を進められるため、手入力の負担を減らせます。
代表的なクラウド会計ソフトには、
- freee会計
- マネーフォワード クラウド確定申告
- やよいの青色申告 オンライン
などがあります。
それぞれ操作性や料金、機能が異なるため、自分の経理経験や使い方に合ったものを選びましょう。
💡 クラウド会計ソフト3社比較
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個人事業主のスマホ代に関するよくある質問
Q1. スマホ代は何割まで経費にできますか?
「何割まで」という一律の基準はありません。仕事とプライベートで兼用している場合には、実際の利用状況などから事業に必要な部分を合理的に区分します。
Q2. スマホ代を100%経費にできますか?
仕事専用として実際に使用しており、その費用が事業上必要なものであれば、全額を必要経費として処理できる場合があります。プライベートでも使用している場合には家事按分を検討しましょう。
Q3. iPhoneも経費になりますか?
iPhoneだから特別な扱いになるわけではありません。事業で使用していれば、他のスマートフォンと同様に事業利用分が必要経費の対象となります。ただし、端末の取得価額によって減価償却などの処理が必要になる場合があります。
Q4. 個人用クレジットカードで支払ったスマホ代も経費になりますか?
個人用クレジットカードで支払ったことだけを理由に必要経費にならないわけではありません。事業上必要な支出であれば、「事業主借」などを使って適切に仕訳します。
Q5. スマホケースやモバイルバッテリーも経費になりますか?
事業でスマホを使用するために必要な支出であれば、必要経費になる可能性があります。事業との関連性を基準に判断しましょう。
Q6. 家事按分の割合は毎年同じでも大丈夫ですか?
利用実態に大きな変化がなく、合理的な基準で算定しているのであれば、同じ基準を継続することは考えられます。ただし、働き方や利用状況が大きく変わった場合には見直しましょう。
まとめ:スマホ代は「事業で使った部分+説明できる根拠」が重要!
個人事業主のスマホ代は、事業のために使用している部分について必要経費にできます。
【この記事のまとめ】スマホ代を経費にするときの9ポイント
- ① 通信料:事業で使用した部分は必要経費にできる
- ② 兼用スマホ:合理的な基準で家事按分する
- ③ 仕事専用:事業専用なら全額経費にできる場合がある
- ④ 割合:「50%までOK」という一律ルールはない
- ⑤ 端末代:取得価額によって処理方法が変わる
- ⑥ 分割払い:毎月の支払額だけで判断しない
- ⑦ 勘定科目:通信料金は一般的に「通信費」
- ⑧ 個人資金で支払った場合:「事業主借」を使う方法がある
- ⑨ 証拠:請求明細と家事按分の根拠を残しておく
スマホは、顧客との連絡・メール・SNS・決済・情報収集・会計ソフトなど、今や個人事業主にとって欠かせない仕事道具のひとつです。
だからこそ「なんとなく50%」「個人事業主だから全部経費」と処理するのではなく、実際に事業でどの程度使用しているのかを説明できる状態にしておくことが大切です。
また、スマホ以外にも家賃・電気代・インターネット代など、仕事とプライベートが混在する支出は数多くあります。
毎月の経費を正しく処理しながら経理作業そのものを効率化したい方は、クラウド会計ソフトも活用してみましょう。

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