「日本政策金融公庫から借入れがあるけれど、法人化しても大丈夫?」
「個人事業主の借入金は、新しく設立する会社へ引き継げる?」
「銀行の借入れが残っていると、法人化後の融資で不利になる?」
個人事業主として事業を続けている方の中には、公庫・銀行・信用金庫などから融資を受けている方もいるでしょう。
事業が成長して法人化を検討する際、気になるのが現在の借入金をどう扱うかという問題です。
結論からいうと、借入金が残っていても法人化することは可能です。ただし、個人名義の借入金が自動的に新設法人へ引き継がれるわけではありません。
借入金の契約を変更する場合には金融機関との調整が必要であり、法人化後の返済方法や個人保証にも注意する必要があります。
この記事では、借入金がある状態で法人化する際の判断基準、融資の引き継ぎ方法、返済・個人保証・税務処理の注意点を、現役税務会計スタッフがわかりやすく解説します。
まず結論|借入金がある人の法人化で重要な5つのこと
- 借入金が残っていても会社設立自体は可能
- 個人名義の借入金は、新設法人へ自動的に移らない
- 借入れの名義変更や債務引受は、金融機関との正式な調整が必要
- 会社が個人の借入金を自由に返済してよいわけではない
- 法人化前に、借入残高・資金繰り・税金・社会保険料を整理することが重要
借入金が残っていても法人化はできる?
個人事業主として借入金があっても、株式会社や合同会社を設立することは可能です。
借入金があること自体が、会社設立を禁止する理由にはなりません。
例えば、次のような状況でも法人化を検討できます。
- 日本政策金融公庫から開業資金を借りている
- 銀行から運転資金の融資を受けている
- 信用金庫から設備資金を借りている
- 事業用車両や機械のローンが残っている
- 信用保証協会の保証付き融資を利用している
ただし、会社を設立できることと、既存の借入契約を変更できることは別の問題です。
個人事業主と新設法人は、それぞれ独立した法律上の主体です。
そのため、個人事業主の名前で借りているお金は、会社を設立しただけで新設法人の借入金になるわけではありません。
借入金300万円が残っているケース
例えば、個人事業主として日本政策金融公庫から500万円を借り、現在の残高が300万円あるとします。
この状態で株式会社を設立しても、借入契約を変更しなければ、原則として300万円の借入金の債務者は引き続き個人事業主本人です。
借入金が残っている状態で法人化した場合
| 法人化前の借入残高 | 300万円 |
| 借入契約の名義 | 個人事業主本人 |
| 株式会社の設立 | 可能 |
| 設立だけで借入名義は変わる? | 変わらない |
※借入契約の変更や債務引受などを行っていないケースを想定しています。
法人化後も返済を続ける場合には、借入先と契約内容を確認し、誰がどの資金で返済するのかを整理する必要があります。
個人事業主の借入金を法人へ引き継ぐ3つの考え方
法人化前の借入金については、主に次のような対応が考えられます。
ただし、どの方法を利用できるかは金融機関の判断や契約条件によって異なります。
① 金融機関と相談し、法人が債務を引き受ける
一つ目は、個人名義の借入金について、法人が債務を引き受ける方法です。
例えば、個人事業主から新設法人へ事業を移す際、融資を受けている金融機関と協議し、借入契約の変更などを検討します。
債務引受には、主に次の2種類があります。
| 種類 | 基本的な仕組み |
|---|---|
| 免責的債務引受 | 新たな債務者が債務を負い、元の債務者はその債務から外れる |
| 併存的債務引受 | 元の債務者に加え、新たな債務者も債務を負担する |
免責的債務引受は、個人と法人の間だけで決めれば成立するものではありません。
民法では、債権者と引受人との契約、または元の債務者と引受人との契約に債権者が承諾する方法などが定められています。
つまり、金融機関の関与なしに、借入金を勝手に法人へ付け替えることはできません。
金融機関によっては、名義変更ではなく、新たな融資契約や借換えなどの方法を検討する場合もあります。
② 個人名義の借入れを継続する
二つ目は、個人名義の借入契約を継続し、個人が返済する方法です。
ただし、個人事業を法人へ移す場合には、借入金の使途や事業資産の移転によって融資契約上の問題が生じる可能性があります。
例えば、店舗設備の購入資金として融資を受けていたにもかかわらず、その設備を新設法人へ譲渡する場合です。
設備の所有者が変わることで、契約内容や担保に影響する可能性があります。
そのため、個人名義で返済を続ける場合も、融資先へ法人化の予定を説明し、契約上問題がないか確認することが重要です。
借入れが残ったまま個人事業を廃業する場合も、借入先への事前確認をおすすめします。
③ 新設法人が融資を受け、既存借入れの整理を検討する
三つ目は、新設法人が融資を受けて、個人事業主時代の借入金を整理できるか検討する方法です。
ただし、法人が新たに借りたお金で、個人の既存借入金を自由に返済できるわけではありません。
金融機関が認める借換えの仕組みや、融資資金の使途などを確認する必要があります。
特に、事業資金として融資されたお金を、許可なく個人の別の債務の返済に使用することは避けなければなりません。
新設法人で追加融資を受けたい場合は、現在の借入先と相談し、事業承継の内容や資金計画を整理しましょう。
現役税務会計スタッフのワンポイント①
法人成りの際は、「借入金を誰が返すか」と「借入金で購入した資産を誰が所有するか」を分けて考えることが大切です。例えば個人名義の借入れで購入した機械を法人へ移す場合、借入契約だけでなく資産の売買・帳簿処理・消費税も関係します。会社設立前に借入一覧表と固定資産台帳を整理しておくと、専門家や金融機関へ相談しやすくなります。
借入金がある人こそ、法人化前に税金と資金繰りを比較する
借入金が残っている状態で法人化する場合、法人化による税金の変化だけでなく、毎月の返済額や事業資金も重要です。
法人化した結果、税負担が軽くなったとしても、社会保険料や法人の維持費が増えれば、返済に回せる資金が減る可能性があります。
例えば、借入金の毎月返済額が10万円なら、年間120万円の返済資金が必要です。
ただし、返済額の全額が経費になるわけではなく、元本と利息では税務上の扱いが異なります。
法人化を検討する際は、利益とキャッシュフローを分けて考えましょう。
税金・社会保険料・法人の維持費まで含めて、個人事業を続ける場合と法人化した場合を比較しておくことをおすすめします。
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日本政策金融公庫の借入金は法人化するとどうなる?
日本政策金融公庫から借入れを受けている個人事業主が法人化する場合も、基本的な考え方は同じです。
個人名義の公庫融資が、新設法人へ自動的に引き継がれるわけではありません。
現在の借入契約をどう取り扱うかについては、借入先の公庫支店へ事前に相談することが重要です。
法人化する前に公庫へ相談したいこと
例えば、次のような事項を確認しましょう。
- 個人事業から法人へ移行する予定であること
- 現在の借入残高と毎月の返済額
- 借入金の使途と、融資対象になった設備等の移転予定
- 個人名義の返済を継続できるか
- 法人への債務引受や借換えを検討できるか
- 新設法人で追加融資を受ける可能性があるか
必要な書類や手続きは個別の融資契約によって異なります。
会社設立後に報告するのではなく、法人化の計画段階から相談しておくとよいでしょう。
個人事業の実績は法人化後の融資審査で考慮される?
新設法人で融資を受ける場合、設立したばかりで法人としての決算書がないことがあります。
その場合でも、個人事業主としての売上や利益、取引実績、借入金の返済状況などが、事業の継続性を説明する資料になる可能性があります。
ただし、個人事業時代に返済実績があるからといって、新設法人が必ず融資を受けられるわけではありません。
金融機関は、法人化後の事業計画や返済能力、資金使途なども確認します。
個人事業時代の確定申告書、売上資料、資金繰り表などを整理しておきましょう。
銀行・信用金庫の融資も自動的には引き継がれない
銀行や信用金庫から事業資金を借りている場合も、法人化によって借入名義が自動的に変わることはありません。
融資契約を変更する場合は、借入先の金融機関と相談する必要があります。
信用保証協会付き融資の場合
信用保証協会の保証を利用して銀行や信用金庫から融資を受けている場合は、金融機関だけでなく、信用保証協会の保証条件も関係します。
法人化に伴って債務者や契約条件を変更する場合には、必要に応じて信用保証協会の手続きや審査が必要になることがあります。
金融機関へ相談するときは、「この借入れは信用保証協会付きの融資か」を確認しましょう。
返済中の借入れが法人融資の審査に影響することも
新設法人が融資を希望する場合、個人事業主時代の借入残高や返済状況について確認されることがあります。
借入金が残っているだけで必ず審査に落ちるわけではありませんが、返済能力の判断に関わる場合があります。
特に、個人の借入れと法人の新たな借入れを合計して、毎月いくら返済する必要があるのか整理しましょう。
法人化すると個人保証は外れる?
借入れがある状態で法人化する際、気になるのが個人保証です。
ここで区別したいのは、個人事業主本人が借入れの債務者になっている場合と、法人の借入れについて社長が個人保証している場合です。
個人事業主本人の借入金は「本人の債務」
個人事業主が自分の名前で事業資金を借りた場合、本人が借入契約の債務者です。
そのため、法人化しても、正式な債務引受などの手続きがなければ、本人の返済義務は残ります。
この場合、単に保証人を外すという話ではなく、借入れそのものの契約関係を確認する必要があります。
法人の借入れでは社長の個人保証が問題になる
一方、法人が融資を受ける場合に、金融機関から代表者個人の保証を求められることがあります。
ただし、すべての法人融資で個人保証が必須というわけではありません。
中小企業庁や金融庁は、経営者保証に過度に依存しない融資慣行を進めています。
また、日本政策金融公庫には、一定の条件を満たす法人について、経営者保証を不要とする融資制度があります。
保証の要否は、会社と代表者の資産・経理の分離、財務状況、金融機関への情報提供など、個別の条件を踏まえて判断されます。
法人化すれば個人保証がなくなる、または必ず個人保証が必要になる、というどちらの説明も正確ではありません。
個人保証を付けずに借りられる可能性は?
例えば、一定の条件を満たす法人では、信用保証協会の「経営者保証を不要とする取扱い」などを利用できる場合があります。
ただし、法人の財務状況や借入目的などによって利用条件が異なり、保証料率の上乗せが必要な制度もあります。
個人保証を付けたくない場合は、法人化を計画する段階で金融機関へ相談しておきましょう。
個人借入金を会社が返済してもいい?税務上の注意点
個人事業主が法人化した後、特に注意したいのが借入金の返済処理です。
新設法人の銀行口座から、個人名義の借入金をそのまま返済することは、会計・税務上の問題につながる可能性があります。
個人の借入金は会社の借入金ではない
個人が金融機関から借りているお金は、正式な契約変更等がなければ、原則として個人の債務です。
そのため、会社が個人の借入金を返済した場合、必ず会社の「借入金返済」として処理できるわけではありません。
例えば、会社が個人に代わって返済した場合には、その支払いが役員への貸付けなのか、給与等に該当するのか、別の法律関係に基づく支払いなのかを確認する必要があります。
内容によっては役員貸付金や役員給与の問題が生じる場合があります。
法人と個人の資金を混同しないことが重要です。
個人から法人へ資金を貸す場合は別の取引
例えば、個人事業主が保有している資金を新設法人へ貸し付けることは可能です。
その場合、会社の帳簿では、一般に役員借入金などとして処理することが考えられます。
ただし、個人が銀行から借りた資金を法人へ貸し付けても、銀行に対する個人の返済義務がなくなるわけではありません。
また、借入金の資金使途や契約条件に反する資金移動は避ける必要があります。
個人から法人への貸付けを検討する場合は、金融機関との契約内容や会社の資金繰りを確認しましょう。
借入金の元本返済は経費にならない
個人事業主が借入金を返済するとき、元本返済額は原則として必要経費になりません。
一方、事業のための借入金に係る利息は、一定の条件のもとで必要経費になる場合があります。
法人化後も、元本返済と支払利息は分けて考える必要があります。
借入金の元本・利息・保証料の違いについては、次の記事で詳しく解説しています。
現役税務会計スタッフのワンポイント②
法人成り後の経理で注意したいのは、個人と法人の預金口座・借入金・返済資金を混同しないことです。会社から個人の借入金を返済している場合、その支払金額をそのまま法人の借入金元本に計上するのは適切ではありません。事前に契約関係を整理し、必要な場合は税理士と金融機関の双方へ確認しましょう。
借入金で購入した事業用資産は法人へ移せる?
個人事業主から法人へ事業を引き継ぐ際には、借入金だけでなく、事業用資産の取扱いも重要です。
例えば、借入金で購入した次のような資産が該当します。
- 事業用車両
- 店舗設備・機械装置
- パソコン・業務用機器
- 商品や材料などの在庫
- 営業に使用する建物等
これらの資産は、個人事業主と新設法人が別の主体であるため、自動的に法人の所有物になるわけではありません。
法人へ売却する場合などは、資産の価額や税務上の取扱いを確認する必要があります。
資産を法人へ売却する場合
例えば、個人事業主が所有する機械を新設法人へ売却する場合、契約内容を整理し、法人側で適切に資産を計上します。
この際、個人側では譲渡による所得税の取扱いを検討する必要があるほか、消費税の課税事業者であれば、事業用資産の売却について消費税が関係する場合があります。
また、借入金で購入した設備に担保が設定されている場合は、金融機関の承諾等が必要になることがあります。
借入金の残高と資産の帳簿価額が一致するとは限らない点にも注意しましょう。
減価償却資産は引き継ぎ方によって処理が変わる
例えば、個人事業主が購入して減価償却していた設備を法人へ売却する場合、個人の帳簿価額をそのまま法人へ移せばよいとは限りません。
取引価額や取得時期、資産の種類などを確認したうえで、個人・法人それぞれの処理を検討します。
減価償却の基本的な考え方については、次の記事が参考になります。
借入金がある状態で法人化すると融資審査に不利?
借入金がある状態で法人化を検討する方の中には、「既存の借入金が残っていると、新設法人で融資を受けられないのでは」と不安を感じる方もいるでしょう。
しかし、借入金が残っていることだけで、必ず融資を受けられなくなるわけではありません。
大切なのは、借入金の残高だけでなく、現在の返済状況や法人化後の資金計画を説明できることです。
金融機関に確認されやすい内容
例えば、次のような情報を整理しておくとよいでしょう。
- 個人事業主としての売上・利益の推移
- 現在の借入金残高と返済状況
- 法人化後の売上・利益の見込み
- 毎月の返済に充てられる資金
- 法人化の目的と新たな資金需要
- 個人事業時代から継続する取引先・事業内容
- 法人化後の役員報酬・固定費・社会保険料
金融機関ごとに審査基準は異なりますが、こうした資料があれば、法人化後の経営状況を説明しやすくなります。
法人化前の融資実績を説明する
例えば、個人事業主として数年間、安定した売上を確保し、融資も予定どおり返済してきた場合です。
法人設立後の決算実績がなくても、個人事業時代の確定申告書や返済資料などを通じて、事業の実績を説明できます。
ただし、新設法人への融資が保証されるわけではありません。
法人化前から借入先との相談を進め、会社設立時期や資金調達の方法を検討しましょう。
借入金がある人が法人化を急がない方がよいケース
借入金がある人でも法人化は可能ですが、必ず今すぐ法人化すべきというわけではありません。
例えば、次のようなケースでは慎重な検討が必要です。
| 現在の状況 | 確認したいこと |
|---|---|
| 毎月の返済負担が大きい | 法人化後の固定費を含めても返済できるか |
| 売上・利益が不安定 | 社会保険料や法人維持費を継続負担できるか |
| 融資で購入した設備が多い | 資産の移転や担保に金融機関の承諾が必要か |
| 返済の遅延がある | 法人化より先に返済計画の見直しが必要ではないか |
| 追加融資を予定している | 法人化の時期と融資申込みの順番をどうするか |
特に、現在の事業利益から借入返済を行うだけで精いっぱいの場合は、法人化による維持費の増加を慎重に検討しましょう。
法人化をやめた方がよい場合については、次の記事で詳しく解説しています。
借入金がある個人事業主の法人化チェックリスト
法人化を決める前に、次の項目を確認しましょう。
- □ 金融機関ごとの借入残高を把握している
- □ 毎月の元本返済額・利息を確認している
- □ 法人化の予定を借入先へ相談した
- □ 個人借入金の取扱いを確認した
- □ 借入金で購入した設備等の移転方法を整理した
- □ 個人保証・担保の状況を確認した
- □ 法人化後の利益・資金繰りを試算した
- □ 社会保険料・法人住民税・決算費用を見積もった
- □ 個人と法人の税負担を比較した
- □ 新設法人での追加融資の必要性を検討した
このチェックリストを整理できれば、金融機関や専門家へ具体的な相談をしやすくなります。
借入金が残っていて法人化に迷うなら、設立前に無料相談を
借入金がある状態で法人化する場合は、個人事業の利益だけでなく、毎月の返済資金、法人化後の社会保険料、会社の維持費などを確認する必要があります。
特に、現在の利益で法人化が有利になるか判断できない場合は、個人事業のままと法人化した場合の税負担を比較しておくとよいでしょう。
法人化専門の税理士へ相談すれば、現在の利益や事業計画に基づき、税負担や設立後の維持費を整理することができます。
一方、既存借入金の名義変更や債務引受、融資契約の条件については、借入先金融機関への確認が必要です。
税務面と融資契約の両方を整理したうえで、法人化のタイミングを判断しましょう。
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法人化する前に、
税金と維持費を比較しよう
借入返済を続けながら法人化すべきか、
まず税負担を整理して判断しましょう。
無料相談前に整理したい3つのこと
年間利益
現在の売上・経費と
今後の利益予測
借入状況
現在の借入残高と
毎月の返済額
事業計画
法人化の目的と
今後の資金需要
24時間WEB受付・Zoom面談で全国対応
税理士法人経営サポートプラスアルファ
※法人化を検討する個人・個人事業主向けです。
※面談は予約制です。無料相談の対象・条件は公式ページをご確認ください。
※既存借入金の債務引受や新規融資の審査結果を保証するものではありません。
借入金がある状態で法人化する場合のよくある質問
Q. 借入金を全額返済してから法人化する方がよいですか?
必ずしも全額返済してから法人化する必要はありません。
ただし、借入金の返済条件や、法人化後の資金繰り、借入先金融機関の方針によって適切な方法が異なります。
事業資金を無理に返済へ回してしまうと、法人化後の運転資金が不足する可能性もあります。返済時期と法人化の時期を合わせて検討しましょう。
Q. 個人の信用情報は法人化するとリセットされますか?
法人化したからといって、個人としての借入履歴や返済状況が自動的に消えるわけではありません。
新設法人で融資を受ける際に、代表者の借入状況や信用情報について確認される場合があります。
ただし、審査基準や確認範囲は金融機関・融資商品によって異なります。
Q. 住宅ローンが残っていても法人化できますか?
住宅ローンが残っていても、法人設立自体は可能です。
ただし、住宅ローンは事業用借入金とは異なる契約です。
自宅を法人の事務所として利用する場合や、住宅の所有者・利用状況が変わる場合には、住宅ローン契約の条件を確認する必要があります。
法人化しただけで住宅ローンを法人の経費にできるわけでもありません。
Q. 返済を延滞している状態でも法人化できますか?
借入金の返済が遅れていても、会社設立自体が必ず不可能になるわけではありません。
ただし、延滞状況は新たな融資審査や現在の借入契約の取扱いに影響する可能性があります。
まずは借入先へ返済状況を相談し、現実的な返済計画を整理しましょう。法人化によって延滞した債務が消えるわけではありません。
まとめ|借入金が残っていても法人化は可能。金融機関と税務の確認が重要
個人事業主として借入金が残っていても、会社を設立することは可能です。
ただし、個人名義の公庫・銀行融資は、新設法人へ自動的に引き継がれるわけではありません。
借入金を法人へ移す場合は、金融機関と債務引受や借換えなどを相談する必要があります。
また、個人の借入金を会社が自由に返済してよいわけではなく、会計・税務上の処理にも注意が必要です。
法人化するかどうかは、借入残高だけでなく、現在の事業利益、返済資金、法人化後の税金・社会保険料・維持費を総合的に比較して判断しましょう。
まずは借入先金融機関に法人化予定を相談し、税負担や資金繰りについては必要に応じて税理士へ相談することをおすすめします。
参考情報・公的資料
- 法務省|債務引受に関する見直し
- e-Gov法令検索|民法(債務引受等)
- 日本政策金融公庫|借入れ・返済に関する予約相談
- 日本政策金融公庫|経営者保証免除特例制度
- 中小企業庁|経営者保証
- 東京信用保証協会|経営者保証を不要とする保証の取扱い
- 経済産業省|創業期に利用可能な信用保証制度
- 国税庁|個人が事業用建物等を譲渡した場合の消費税
本記事は2026年10月20日時点で確認できる公的資料に基づく一般的な解説です。借入契約の変更、債務引受、個人保証、融資の可否などは金融機関・保証機関の判断や契約内容によって異なります。具体的な対応は借入先金融機関や専門家へ確認してください。

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