【2027年提出】償却資産申告とは?個人・法人の対象資産と免税点180万円

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「償却資産申告書が届いたけれど、何を申告すればいいの?」

「個人事業主でも申告が必要?法人だけではないの?」

「2027年から免税点が180万円になるなら、180万円未満は何もしなくていい?」

個人事業主や会社経営者の方の中には、このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

償却資産申告とは、事業用の設備や備品などについて、固定資産税の計算に必要な情報を市区町村へ申告する手続きです。

2027年度からは、償却資産に係る固定資産税の免税点が150万円未満から180万円未満へ引き上げられます。

さらに、2026年4月1日以後に取得した一定の少額減価償却資産については、所得税・法人税の特例の対象が従来の30万円未満から40万円未満へ拡大されています。

ただし、ここで注意したいのは、所得税や法人税で全額経費にできる資産でも、固定資産税の償却資産申告では対象になる場合があるという点です。

また、2027年度から免税点が180万円に引き上げられても、申告義務までなくなるわけではありません。

この記事では、償却資産申告の基本、2027年度の改正点、対象となる設備・備品、少額資産の判定方法、申告書の書き方や提出期限を、現役税務会計スタッフが個人事業主・法人の両方向けに解説します。

まず結論|2027年度の償却資産申告

  • 提出期限:2027年2月1日(月)
  • 対象者:申告対象となる事業用資産を所有する個人事業主・法人など
  • 対象資産:原則として2027年1月1日現在に所有する事業用の構築物・機械・器具備品等
  • 免税点:2027年度から課税標準額の合計180万円未満
  • 重要:180万円未満で固定資産税が課されなくても原則として申告が必要
  • 少額資産:40万円未満の全額経費特例を適用しても申告対象になる場合がある

※実際の申告先・提出書類・申告対象資産は、資産所在地の市区町村等の案内に従って確認してください。

目次

償却資産申告とは?個人事業主・法人に必要な固定資産税の手続き

償却資産申告とは、事業に使用する固定資産のうち、土地や家屋とは別に固定資産税の対象となる資産について、市区町村等へ申告する手続きです。

例えば、事業用のパソコン、機械、店舗の内装、看板などが該当することがあります。

通常、土地や家屋の固定資産税は市区町村等が課税台帳に基づいて計算します。

一方、償却資産については、事業者自身が対象資産を申告する必要があります。

個人事業主でも償却資産申告は必要

償却資産申告は法人だけの手続きではありません。

個人事業主であっても、事業用の申告対象資産を所有していれば原則として申告が必要です。

例えば、次のような事業者が考えられます。

  • 事業用パソコンや撮影機材を使用しているフリーランス
  • 店舗に設備や内装を設置している飲食店経営者
  • 美容機器を所有している美容室・サロン経営者
  • 医療機器を所有しているクリニックの経営者
  • 機械や工具を所有している建設業者・製造業者
  • 事業用設備を所有している株式会社・合同会社

個人事業か法人かではなく、どのような資産を所有し、どのように事業で使用しているかを確認しましょう。

所得税・法人税の確定申告とは別の手続き

個人事業主は所得税の確定申告、法人は法人税の確定申告を行います。

これらは国税に関する手続きです。

一方、償却資産申告は地方税である固定資産税に関係する手続きです。

そのため、所得税や法人税の申告書に減価償却資産を記載しただけでは、償却資産申告を済ませたことにはなりません。

税務署への申告と、市区町村への償却資産申告は別々に行う必要があります。

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【2027年改正】償却資産の免税点が180万円未満に引き上げ

2027年度からの重要な改正が、償却資産に係る固定資産税の免税点の引上げです。

令和8年度税制改正により、2027年度以後の固定資産税について、償却資産の免税点が150万円未満から180万円未満へ引き上げられました。

区分 2026年度まで 2027年度から
償却資産の免税点 150万円未満 180万円未満
固定資産税の標準税率 1.4% 1.4%
免税点未満の申告義務 原則あり 引き続き原則あり

例えば、2027年度の償却資産に係る課税標準額の合計が170万円であれば、180万円未満のため原則としてその償却資産に固定資産税は課されません。

一方、課税標準額の合計が180万円であれば、免税点未満には該当しません。

ここで重要なのは、180万円以下ではなく、180万円未満という点です。

免税点180万円は購入金額の合計ではない

免税点を判定する際に使用するのは、原則として取得価額の合計ではなく、償却資産の課税標準額の合計です。

例えば、事業用設備を合計200万円で取得していたとしても、そのまま課税標準額が200万円になるとは限りません。

償却資産は取得時期や耐用年数などをもとに評価額を計算し、課税標準の特例が適用される場合は、その特例を反映して課税標準額を求めます。

したがって、「設備を180万円以上購入したら必ず固定資産税がかかる」という説明は正確ではありません。

180万円未満でも償却資産申告は必要

免税点の改正で特に誤解しやすいのが、申告義務の有無です。

償却資産の課税標準額が180万円未満の場合、固定資産税は原則として課されません。

しかし、申告対象となる償却資産を所有している場合は、免税点未満であっても申告が必要です。

例えば、申告対象となるパソコンや機器を1台だけ所有している個人事業主であっても、償却資産の申告義務が生じる場合があります。

固定資産税が0円になることと、申告書を提出しなくてよいことは別です。

税額は180万円を超えた部分だけにかかる?

いいえ。免税点は、課税するかどうかの境目です。

課税標準額が180万円以上となり、課税される場合、原則として課税標準額の全体をもとに税額を計算します。

例えば、課税標準額が200万円で、標準税率1.4%を適用する場合、単純計算では次のようになります。

償却資産の固定資産税・概算例

課税標準額200万円 × 税率1.4% = 28,000円

※簡略化した計算例です。税率や端数処理、課税標準の特例等により実際の税額は異なります。

180万円を差し引いた20万円にだけ税率をかける制度ではありません。

現役税務会計スタッフのワンポイント①

2027年度の申告で特に注意したいのは、「取得価額180万円」ではなく「課税標準額180万円未満」が免税点の基準だということです。また、税金が発生しない見込みでも申告義務は残ります。少額の設備しか持っていない事業者ほど、申告対象資産があるかを先に確認しましょう。

償却資産申告の対象となる資産一覧|パソコン・設備・内装など

償却資産申告の対象となるのは、原則として事業の用に供することができる土地・家屋以外の減価償却資産です。

主な例は次のとおりです。

資産の区分 具体例
構築物 駐車場舗装、外構、フェンス、屋外看板など
建物附属設備 テナントが取り付けた内装・電気設備・給排水設備など、所定のもの
機械・装置 製造機械、工作機械、業務用設備、発電設備など
工具・器具・備品 パソコン、業務用カメラ、机、椅子、医療機器、美容機器など
船舶・航空機 事業用船舶、航空機など
一定の車両・運搬具 自動車税・軽自動車税の対象とならない一定の車両等

ただし、上記の資産でも、取得価額や税務上の処理方法などによって申告対象外になることがあります。

反対に、金額が少なくても個別に減価償却している場合などは申告対象となることがあります。

パソコン・モニターは申告対象になる?

事業用パソコンやモニターは、工具・器具・備品として償却資産申告の対象になることがあります。

例えば、35万円の事業用パソコンを取得し、2026年4月以後の40万円未満の少額減価償却資産の特例を使って全額経費にした場合です。

所得税や法人税では特例による経費処理ができても、固定資産税の償却資産申告では申告対象となります。

一方、15万円のパソコンについて3年間の一括償却を選択した場合は、原則として申告対象外です。

詳しい金額別の経費処理は、次の記事で解説しています。

店舗を借りている場合の内装工事

飲食店や美容室などで、賃貸店舗の内装工事を行った場合も注意が必要です。

例えば、店舗の借主が取り付けた内部造作や電気設備、給排水設備などは、一定の要件のもとで借主の償却資産として申告対象になります。

一方、建物の所有者が設置した設備については、家屋として評価される部分もあります。

同じ設備でも、誰が所有し、誰が取り付けたかなどによって取扱いが異なります。

工事費用の請求書を確認し、必要に応じて自治体の家屋・償却資産の区分表で判断しましょう。

自動車・バイクは償却資産申告の対象?

事業用の車両であっても、自動車税または軽自動車税の対象となる自動車等は、通常、償却資産申告の対象外です。

例えば、事業で使用する一般的な乗用車や軽自動車が該当します。

ただし、車両・運搬具のすべてが対象外になるわけではありません。

特殊な車両や構内運搬設備などについては、税区分や車両の種類に応じた確認が必要です。

ソフトウェアは償却資産申告の対象?

ソフトウェア、特許権、営業権などの無形固定資産は、固定資産税の償却資産申告の対象外です。

ただし、パソコン本体やサーバー機器などの有形資産は、別途申告対象になる場合があります。

ソフトウェアの購入費を税務上どのように処理するかと、固定資産税の申告対象になるかは、分けて考えましょう。

【重要】40万円未満なら申告不要?少額減価償却資産の改正に注意

2027年度の償却資産申告で、特に確認しておきたいのが少額減価償却資産の取扱いです。

2026年4月1日以後に取得した一定の減価償却資産について、中小企業者等の少額減価償却資産の特例の取得価額要件が30万円未満から40万円未満に引き上げられています。

青色申告をしている一定の中小企業者等であれば、適用要件を満たす資産について、年間合計300万円を限度に取得価額を全額経費にできる場合があります。

ただし、この特例は所得税・法人税に関する制度であり、固定資産税の償却資産申告で同じ扱いになるわけではありません。

10万円・20万円・40万円の違いを比較

取得価額・処理方法 所得税・法人税の処理 償却資産申告
10万円未満・一時に経費処理 全額経費 原則不要
10万円以上20万円未満・3年一括償却 3年間で均等償却 原則不要
10万円以上40万円未満・中小企業特例 要件を満たせば全額経費 原則必要
通常の個別減価償却 耐用年数等に応じて減価償却 原則必要

※少額資産の特例には青色申告、事業規模、取得・使用開始時期などの要件があります。40万円未満の基準は2026年4月1日以後に取得した対象資産についてのものです。対象資産の種類やリース契約等により、別の取扱いがある場合があります。

35万円のパソコンを全額経費にした場合

例えば、2026年7月に35万円の業務用パソコンを購入し、事業で使い始めたとします。

青色申告を行っている一定の中小企業者等で、少額減価償却資産の特例の適用要件を満たす場合は、35万円をその年または事業年度の必要経費・損金にできることがあります。

しかし、固定資産税では、特例を使って全額経費にしたことだけを理由に申告対象から外れるわけではありません。

したがって、2027年1月1日現在にその資産を所有している場合、原則として償却資産申告の対象になります。

15万円のパソコンを3年一括償却した場合

一方、15万円のパソコンを取得し、税務上、3年間の一括償却資産として処理した場合は、原則として償却資産申告の対象外です。

同じ15万円でも、通常の個別減価償却を選んだ場合は申告対象になることがあります。

このように、資産の金額だけでなく、どの税務処理を適用したかが重要です。

40万円ちょうどの資産は特例の対象?

40万円ちょうどの資産は、「40万円未満」には該当しません。

そのため、少額減価償却資産の40万円未満の特例は適用できません。

ただし、通常の減価償却やその他の特例が使えるかどうかは、資産の内容や事業者の条件によって異なります。

40万円未満と40万円以下を混同しないようにしましょう。

現役税務会計スタッフのワンポイント②

2026年4月からの40万円未満特例で注意したいのは、全額経費にした資産を固定資産台帳や償却資産申告の確認対象から漏らさないことです。確定申告・法人税申告では費用処理が終わっていても、固定資産税では申告対象になる場合があります。購入日・取得価額・資産名・使用開始日・税務上の処理方法を一覧で管理しておきましょう。

償却資産申告が不要になる資産とは?

事業で使用するものでも、すべてが償却資産申告の対象になるわけではありません。

代表的な申告対象外の資産は、次のとおりです。

  • 土地・家屋として固定資産税の対象になるもの
  • 自動車税または軽自動車税の課税対象となる車両
  • ソフトウェア、特許権などの無形固定資産
  • 商品・製品などの棚卸資産
  • 開業費などの繰延資産
  • 10万円未満などで所定の一時経費処理をした資産
  • 20万円未満で3年一括償却を選択した資産
  • その他、法令上の除外要件に該当するもの

ただし、取得価額が10万円未満でも個別に資産計上して減価償却している場合などは、申告対象になることがあります。

また、リース資産には契約に応じた取扱いがあるため、単純に所有者や利用者だけで判断しないようにしましょう。

減価償却が終わった設備は申告不要?

いいえ。減価償却が終了した資産であっても、2027年1月1日現在に事業用として所有し、使用できる状態にある場合は、原則として償却資産申告の対象です。

例えば、過去に購入した業務用機械の税務上の帳簿価額が少額になっていても、継続して使用している場合には申告対象になることがあります。

「帳簿上の償却が終わった=申告不要」とは考えないようにしましょう。

赤字の事業者でも申告は必要?

事業が赤字でも、償却資産申告の対象資産を所有していれば原則として申告が必要です。

償却資産に係る固定資産税は、事業の所得や利益に直接連動する税金ではないためです。

したがって、所得税や法人税が発生していない場合でも、固定資産税が課されることがあります。

前年から資産が増減していない場合は?

前年に申告した資産から増加・減少がない場合でも、通常は「増減なし」として申告します。

また、廃業や移転等で資産を所有しなくなった場合は、自治体の案内に従ってその旨を申告・連絡します。

自治体によって書類や記載方法が異なるため、手引きを確認しましょう。

2027年度の償却資産申告期限はいつ?提出先はどこ?

償却資産申告は、原則として毎年1月1日現在の資産の所有状況を申告します。

2027年度の申告については、2027年1月1日現在の対象資産を確認します。

2027年度の申告期限は2月1日(月)

通常、償却資産申告書の提出期限は1月31日です。

しかし、2027年1月31日は日曜日に当たるため、2027年度の申告期限は原則として2027年2月1日(月)となります。

2027年度 償却資産申告

2027年2月1日(月)

2027年1月1日現在に所有する対象資産を確認して申告

申告書の記載や資産の確認には時間がかかる場合があるため、年明け早めに準備を進めましょう。

提出先は税務署ではなく資産所在地の市区町村等

償却資産申告書の提出先は、原則として事業用資産が所在する市区町村等です。

例えば、事業所や店舗が複数の市区町村にあり、それぞれで対象資産を所有している場合には、資産の所在地ごとに申告が必要になることがあります。

また、東京都23区内の償却資産は、原則として東京都の都税事務所が申告先になります。

郵送先や電子申告の提出先は、資産所在地の自治体の案内で確認しましょう。

法人の決算月が12月以外でも申告する?

はい。法人の決算月が12月以外であっても、償却資産申告は原則として毎年1月1日現在の資産を基準に行います。

例えば、3月決算法人であっても、2027年度の償却資産申告では2027年1月1日現在の資産を確認します。

直近の決算書だけでは、その決算日から1月1日までに購入・売却した資産を反映できない場合があるため注意しましょう。

償却資産申告書の書き方|初めての個人事業主・法人向け

償却資産申告書は、資産所在地の自治体が提供している様式を使用します。

通常、償却資産申告書と、資産の増加・減少等を記載する種類別明細書を使います。

自治体によって提出方法や記入例が異なる場合があるため、必ず最新の申告の手引きを確認してください。

STEP1|対象となる資産を一覧にする

まず、固定資産台帳や総勘定元帳、購入時の請求書などを確認し、申告対象となる資産を一覧にします。

次の項目を整理しておくとよいでしょう。

  • 資産の名称・種類
  • 購入・取得年月
  • 取得価額
  • 法定耐用年数
  • 事業の用に供している状況
  • 資産の所在地
  • 前年からの増減
  • 少額減価償却資産の特例等の適用状況

特に、40万円未満の特例を適用して全額経費にした資産が、台帳から漏れていないか確認することが重要です。

STEP2|2027年1月1日現在の資産を確認する

償却資産申告では、2027年1月1日現在の所有状況を確認します。

そのため、2026年中に売却・廃棄した設備については、適切に減少資産として整理します。

また、2026年中に購入した設備だけでなく、以前から所有している設備も確認が必要です。

事業の用に供することができる状態にある遊休資産・未稼働資産なども、申告対象になることがあります。

STEP3|償却資産申告書を記入する

償却資産申告書には、申告者の氏名・名称、住所、事業種目、取得価額などの必要事項を記入します。

前年から資産の増減がある場合は、種類別明細書で増加資産・減少資産を整理します。

初めて申告する場合は、自治体の指示に従って必要な資産明細を提出します。

一般方式では、事業者が申告した資産情報をもとに自治体が評価額等を計算します。

電算処理方式では、事業者側で評価額等を計算して申告します。

STEP4|市区町村等へ提出する

申告書を作成したら、対象資産の所在地を管轄する市区町村等へ提出します。

自治体によって、窓口、郵送、電子申告などに対応しています。

2027年度の申告期限は原則として2027年2月1日です。

期限直前に慌てないよう、年末までに固定資産台帳や購入資料を整理しておくとよいでしょう。

償却資産申告はeLTAX(エルタックス)で電子提出できる

償却資産申告は、地方税ポータルシステムのeLTAX(エルタックス)を利用して電子申告することもできます。

eLTAXは地方税共同機構が運営する地方税の電子申告システムです。

償却資産申告にも対応しており、PCdeskなどを利用して申告書を作成・提出することができます。

電子申告を利用するメリット

  • 自治体へ出向かずに申告できる
  • 郵送の手間を減らせる
  • 複数自治体への申告を管理しやすい
  • 対応ソフトを利用してデータを作成できる

ただし、初めて利用する場合は、利用届出や必要な設定、電子証明書の要否などを確認する必要があります。

また、会計ソフトを利用しているだけで、自動的に償却資産申告まで完了するとは限りません。

お使いのソフトが償却資産申告書の作成・eLTAX提出に対応しているか、公式案内を確認してください。

eLTAX公式サイトで電子申告の方法を確認する

償却資産申告でよくある間違いと注意点

① 免税点180万円未満なので申告しない

2027年度から免税点が180万円未満に引き上げられますが、申告対象資産を所有している場合は原則として申告が必要です。

納税義務と申告義務を混同しないようにしましょう。

② 40万円未満で経費にした資産を申告から外す

中小企業者等の少額減価償却資産の特例で全額経費にした資産も、原則として償却資産申告の対象です。

確定申告上の経費処理だけで判断しないようにしましょう。

③ 賃貸店舗の内装を申告しない

テナントとして店舗を借り、事業用に内装や設備を取り付けた場合、償却資産申告の対象になることがあります。

店舗工事は金額が大きくなる場合もあるため、工事明細を確認し、家屋と償却資産の区分を整理しましょう。

④ 減価償却済みの資産を削除する

税務上の減価償却が終了していても、事業用に所有し使用できる資産は、原則として申告対象です。

帳簿上の残高が少ないことだけを理由に、資産一覧から削除しないようにしましょう。

⑤ 12月決算以外の法人が、決算日時点の資産だけを申告する

償却資産申告の基準日は毎年1月1日です。

例えば3月決算法人の場合、直近の決算日から2027年1月1日までの資産の増減を確認する必要があります。

2027年度の償却資産申告チェックリスト

  • □ 2027年1月1日現在の事業用資産を確認した
  • □ 個人事業・法人の所有資産を区別した
  • □ 2026年中に購入した設備や備品を整理した
  • □ 2026年中に売却・廃棄した資産を整理した
  • □ 取得価額と耐用年数を確認した
  • □ 10万円未満の資産の処理方法を確認した
  • □ 20万円未満の3年一括償却資産を区別した
  • □ 40万円未満の特例を使った資産を確認した
  • □ テナントの内装・設備を確認した
  • □ 減価償却済みの資産を確認した
  • □ 資産所在地ごとの申告先を確認した
  • □ 自治体の申告書・種類別明細書を用意した
  • □ 免税点180万円未満でも申告要否を確認した
  • □ 2027年2月1日の期限を確認した

償却資産申告が難しい場合はどうする?

償却資産申告では、資産の名称や購入金額だけでなく、耐用年数や税務上の処理方法、家屋との区分なども確認する必要があります。

特に、次のような事業者は注意が必要です。

  • 設備投資が多い製造業・建設業
  • 高額な医療機器を所有するクリニック
  • 店舗の内装工事を行った飲食店・美容室
  • パソコンや撮影機材を多数所有する事業者
  • 複数の市区町村に事業所がある法人
  • 減価償却の特例を毎年適用している事業者

まずは固定資産台帳や確定申告書の減価償却明細を確認し、不明点は資産所在地の自治体へ問い合わせる方法があります。

また、取得価額や減価償却、税務上の処理が複雑な場合は、税理士等の専門家へ相談することも検討しましょう。

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2027年度の償却資産申告でよくある質問

Q. 償却資産の免税点が180万円になったら、180万円未満の資産は申告不要ですか?

いいえ。免税点は固定資産税を課すかどうかの基準です。

申告対象となる償却資産を所有していれば、課税標準額の合計が180万円未満でも原則として申告が必要です。

Q. 2027年度の償却資産申告は個人事業主も対象ですか?

はい。個人事業主でも、申告対象となる事業用の償却資産を所有していれば原則として申告が必要です。

会社を設立しているかどうかだけで申告義務が決まるわけではありません。

Q. 40万円未満のパソコンを全額経費にした場合も申告が必要ですか?

一定の中小企業者等が少額減価償却資産の特例を適用して全額経費にした場合、その有形固定資産は原則として償却資産申告の対象になります。

ただし、資産の種類や使用状況などによって異なるため、自治体の申告の手引きで確認しましょう。

Q. 事業用パソコンが1台だけでも申告が必要ですか?

そのパソコンが償却資産申告の対象資産に該当する場合は、1台だけでも原則として申告が必要です。

一方、10万円未満で所定の一時経費処理をした場合や、20万円未満の3年一括償却を選択した場合などは、申告対象外になることがあります。

Q. ソフトウェアやクラウドサービスの利用料は対象ですか?

ソフトウェアなどの無形固定資産は償却資産申告の対象外です。

また、クラウドサービスの利用料は通常、サービス利用の対価であり、事業用の有形償却資産を所有することとは異なります。

ただし、関連するサーバー設備やパソコン本体などは、別途申告対象となる場合があります。

Q. 資産の取得価額が合計180万円未満なら固定資産税はかかりませんか?

免税点の判定に使用するのは原則として課税標準額の合計であり、取得価額の合計とは異なります。

2027年度から、課税標準額の合計が180万円未満なら原則として償却資産に係る固定資産税は課されません。

ただし、申告義務は別途確認する必要があります。

Q. 赤字の法人や個人事業主も申告しますか?

はい。所得が赤字であることだけで申告が不要になるわけではありません。

固定資産税の償却資産申告は、事業の所得税や法人税とは別の仕組みです。

Q. 申告書が届かない場合は申告しなくていいですか?

申告書が郵送されてこないことだけを理由に、申告が不要になるわけではありません。

申告対象資産を所有している場合は、資産所在地の市区町村等へ申告の方法を確認しましょう。

初めて申告する事業者は、自治体のホームページから様式を取得できる場合もあります。

Q. 2027年度の償却資産申告書はいつまでに提出しますか?

2027年度の申告期限は原則として2027年2月1日(月)です。

通常の1月31日が日曜日に当たるため、翌開庁日が期限となります。

まとめ|2027年度は免税点180万円と40万円未満特例に注意

2027年度の償却資産申告では、固定資産税の免税点が150万円未満から180万円未満に引き上げられます。

ただし、固定資産税が課されない場合でも、申告対象資産を所有していれば原則として申告が必要です。

また、2026年4月から、一定の中小企業者等が利用できる少額減価償却資産の特例が40万円未満に拡大されました。

この特例によって所得税・法人税では全額経費にできる資産も、固定資産税の償却資産申告では対象になる場合があります。

特にパソコン、店舗内装、機械設備、医療機器、美容機器などを所有している方は、取得価額と税務上の処理方法を確認しましょう。

2027年度の申告期限は2027年2月1日(月)です。

個人事業主・法人のどちらも、対象資産の有無を確認し、資産所在地の自治体の最新の申告の手引きに沿って手続きを進めましょう。

参考情報・公的資料

本記事は2026年10月23日時点の公的情報に基づく一般的な解説です。償却資産申告の対象・課税標準額・特例・提出方法は、資産の種類、税務処理、所在地の自治体等によって異なります。実際の申告については、資産所在地の自治体が公表する2027年度の最新の申告の手引きをご確認ください。

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この記事を書いた人

biz-zeimu編集長(現役70社担当)のアバター biz-zeimu編集長(現役70社担当) 税務・会計メディア運営

東京都内の会計事務所に勤務する現役の税務・会計スタッフ。法人および個人事業主をあわせて常時70社以上の税務・会計実務をダイレクトに担当。現場で日々生じるリアルな決算・申告・経理課題の解決に携わる。

また、大学院において専門的な税法論文を執筆したバックグラウンドを持ち、法令に基づく厳密な理論と、現場の実務感覚の両面から正確な税務知識の追及を徹底している。

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