一人会社の作り方|株式会社・合同会社の設立手続き・費用を完全解説

PR|本記事には広告・プロモーションが含まれています。

「一人でも会社は作れる?」

「株式会社と合同会社、どちらを選べばいい?」

「会社設立にはいくらかかって、何から始めればいい?」

個人事業主として利益が増えて法人化を検討し始めると、次に悩むのが「実際にどうやって会社を作るのか」です。

結論からいうと、従業員を雇わなくても、自分一人で株式会社や合同会社を設立することは可能です。

ただし、会社設立では「登記だけすれば終わり」ではありません。

会社形態・商号・本店所在地・資本金・事業目的・決算月・役員報酬などを決めたうえで、設立後には税務署や年金事務所などへの手続きも必要になります。

本記事では、現役で税務会計実務に携わるスタッフの視点から、一人会社を作る流れ・株式会社と合同会社の違い・設立費用・設立後に必要な手続きまで順番に解説します。

【まず結論】一人会社はこの流れで作る

  1. 株式会社か合同会社かを決める
  2. 商号・本店所在地・事業目的などを決める
  3. 資本金と決算月を決める
  4. 定款を作成する
  5. 株式会社なら定款認証を受ける
  6. 資本金を払い込む
  7. 法務局へ設立登記を申請する
  8. 税務・社会保険などの設立後手続きを行う

特に重要なのは、会社を作る「手続き」だけではなく、株式会社・合同会社の選択、資本金、決算月、役員報酬などを設立前に考えておくことです。

目次

そもそも「一人会社」とは?一人でも法人を設立できる

「一人会社」は法律上の会社種類の名称ではありません。

一般的には、株主・役員などを一人で構成して経営する会社を指して使われます。

株式会社についても、一人で出資して一人で取締役となる形で設立できます。

合同会社についても、一人の社員で設立することが可能です。

つまり、

  • 従業員を雇う予定がない
  • 自分一人で事業をしている
  • フリーランスから法人化したい
  • 副業事業を法人化したい

という場合でも会社設立そのものは可能です。

一人会社は株式会社と合同会社どちらで作る?

一人会社を作る場合、最初の大きな選択が「株式会社にするか、合同会社にするか」です。

比較 株式会社 合同会社
出資者 株主 社員
経営者 取締役 業務執行社員など
定款認証 必要 不要
設立登記の登録免許税 資本金×0.7%(最低15万円) 資本金×0.7%(最低6万円)
決算公告 必要 株式会社のような決算公告義務なし

設立費用だけを見ると合同会社の方が抑えやすいですが、会社形態は費用だけで決めるものではありません。

今後の取引・出資・事業拡大なども考えて選ぶ必要があります。

💡 現役税務スタッフのワンポイントアドバイス

実務では「安く作れるから合同会社」と費用だけで決めるより、今後どのような事業にしたいかまで考えて会社形態を決めることが大切です。一度設立してから組織変更するより、設立前に比較しておく方がスムーズです。

一人会社を作る8ステップ

STEP1|株式会社か合同会社かを決める

まず会社形態を決めます。

一人会社で現実的な候補となりやすいのが株式会社と合同会社です。

設立費用、運営方法、今後の事業計画などを比較して選択します。

STEP2|会社の基本事項を決める

会社を設立するには、最低限次のような事項を決めていきます。

  • 商号(会社名)
  • 本店所在地
  • 事業目的
  • 資本金
  • 発起人・社員
  • 役員
  • 事業年度(決算月)

会社名だけを先に決めるのではなく、税務や今後の事業運営に関係する項目も同時に設計することが重要です。

STEP3|資本金を決める

会社設立時には資本金を決めます。

現在の会社法では、株式会社も合同会社も資本金1円から設立すること自体は可能です。

ただし、「1円で設立できる=資本金1円がおすすめ」ではありません。

会社設立直後には、事務所代・仕入れ・広告費・会計ソフト・外注費などさまざまな支払いが発生します。

資本金は設立費用だけではなく、会社が事業を開始してから必要になる運転資金も考えて決めましょう。

⚠️ 資本金は「とりあえず多ければいい」でもありません

資本金額は税務上の判定や各種制度などに影響することがあります。会社の規模・必要資金・今後の計画を踏まえて決めましょう。

STEP4|決算月を決める

法人では自社の事業年度を設定するため、設立時に決算月も考えます。

「個人事業主は12月決算だったから法人も12月」と自動的に決める必要はありません。

たとえば、

  • 事業の繁忙期
  • 売上・利益が大きくなる時期
  • 資金繰り
  • 決算・申告作業を行いやすい時期

なども考えて決めます。

一人会社では社長自身が本業と経理の両方を見ることも多いため、繁忙期と決算作業が重ならないようにする考え方もあります。

STEP5|定款を作成する

会社の基本ルールとなる定款を作成します。

株式会社では作成した定款について公証人の認証を受ける必要があります。

一方、合同会社も定款自体は必要ですが、公証人による定款認証は不要です。

株式会社の定款認証手数料は資本金額等によって異なり、原則1万5,000円〜5万円となるケースがあります。

また、紙の定款では原則4万円の収入印紙が必要になりますが、電子定款ではこの印紙税はかかりません。

STEP6|資本金を払い込む

定款作成など必要な手続きを進めたら、出資する資本金を払い込みます。

会社設立前はまだ法人名義の銀行口座が存在しないため、設立手続きでは発起人等の口座を利用して払込みを証明する方法などが用いられます。

登記申請では、払込みが行われたことを証明する書類が必要になります。

STEP7|法務局へ設立登記を申請する

必要書類がそろったら、本店所在地を管轄する法務局へ会社設立登記を申請します。

株式会社の設立登記にかかる登録免許税は、

資本金 × 0.7%(最低15万円)

です。

合同会社の場合は、

資本金 × 0.7%(最低6万円)

です。

株式会社・合同会社とも、本人によるオンラインでの設立登記申請も可能です。

STEP8|設立後の届出を行う

ここを忘れてはいけません。

会社は登記が完了したらすべての手続きが終わるわけではありません。

設立後は、状況に応じて税務署・都道府県・市区町村・年金事務所などへの届出が必要になります。

会社設立後に必要になる主な税務手続き

法人設立届出書

法人を設立した場合、原則として設立登記の日から2か月以内に税務署へ法人設立届出書を提出します。

青色申告の承認申請書

設立第1期から法人税の青色申告を利用したい場合は、

「設立の日以後3か月を経過した日」と「第1期の事業年度終了日」のうち、いずれか早い日の前日まで

に申請する必要があります。

第1期を短く設定している場合は期限が想像以上に早くなることがあるため注意しましょう。

給与支払事務所等の開設届出書

会社から役員報酬や従業員給与を支払う場合など、給与等の支払事務を取り扱う事務所を開設したときは、原則として開設から1か月以内に届出を行います。

💡 現役税務スタッフのワンポイントアドバイス

会社設立で意外と怖いのは、登記そのものより「設立後の届出漏れ」です。特に青色申告の承認申請書には期限があります。設立日・決算日が決まったら、提出期限を一覧にして管理しておくことをおすすめします。

一人会社でも社会保険の手続きが必要

「従業員が自分一人だから社会保険は関係ない」と考えるのは注意が必要です。

法人事業所は、事業主のみの場合を含め、健康保険・厚生年金保険の適用対象となります。

適用要件を満たした場合の新規適用届は事実発生から5日以内が提出期限です。

そのため法人化を検討するときは、法人税や所得税だけでなく、社会保険料まで含めた資金計画を作っておくことが重要です。

一人会社の設立費用はいくら?

自分で設立手続きをする場合でも、法定費用は発生します。

主な費用 株式会社 合同会社
登録免許税 最低15万円 最低6万円
定款認証 必要 不要
紙定款の印紙税 原則4万円 原則4万円
電子定款の印紙税 不要 不要

このほか、定款の謄本、印鑑作成、各種証明書、専門家へ依頼する場合の報酬などが発生することがあります。

したがって、単純に「株式会社=15万円」「合同会社=6万円」で会社が完成するわけではありません。

会社設立前に決めておきたい「役員報酬」

個人事業主から一人会社へ移行すると、会社から自分へ役員報酬を支給する形になります。

この役員報酬は、

  • 法人の利益
  • 社長個人の所得税・住民税
  • 社会保険料
  • 会社の資金繰り

などに関係します。

さらに、法人税上、役員給与を損金算入するには一定のルールがあります。

そのため「会社を作ってから適当に月30万円にする」というより、設立前から利益見込みを踏まえて考えておくことが重要です。

💴 会社設立後は「自分の給料」の決め方も重要

設立後 【2026年最新】一人社長の役員報酬はいくらがいい?決め方・税金・社会保険を徹底解説

一人会社では、社長自身への役員報酬も重要な初期設定です。会社利益・個人の税金・社会保険・資金繰りの4つから考え方を解説しています。

個人事業主から法人化する場合は「個人側」の手続きも忘れない

すでに個人事業主として事業をしている方が一人会社を設立する場合、新規起業とは少し事情が異なります。

法人を設立するだけで、個人事業が自動的に廃業扱いになるわけではありません。

個人事業を廃止する場合には、所得税・消費税などについて必要な届出を確認します。

また、

  • 個人所有のパソコンや車などを法人へどう移すか
  • 売掛金・買掛金をどう整理するか
  • 事業用口座やクレジットカードをどう切り替えるか
  • 取引先との契約をどう変更するか

なども整理する必要があります。

個人事業主からの法人成りは、単に「会社を1社作る」だけではなく、個人事業から法人へ事業を移す作業まで含めて考えましょう。

PR|個人事業主で法人化を検討している方へ

「自分で会社を作る前に、一度確認しておきたい」

法人化した方がいいか迷ったら
まずは無料で比較・相談

個人事業主を続ける場合と法人化した場合を比較して、
法人化後の維持費や注意点まで相談できます。

法人化を決める前でもOK
法人化の相談 無料

✓ こんなことを相談できます

  • 個人事業主のまま・法人化した場合の比較
  • 法人化後にかかる維持費
  • 会社設立前に知っておきたい注意点
  • 自分の状況で法人化を検討すべきか

オンライン面談対応のため全国から相談できます

法人化した方がいいか無料で相談する 個人事業主からの法人化相談はこちら >

税理士法人経営サポートプラスアルファの法人化無料相談へ移動します。
※法人化による税負担等は、所得・事業状況などによって異なります。

まとめ|一人会社は「設立前の設計」が重要

一人でも株式会社・合同会社を設立できます。

ただし、会社設立で重要なのは、登記申請の方法だけではありません。

  • 株式会社・合同会社のどちらにするか
  • 資本金をいくらにするか
  • 決算月をいつにするか
  • 役員報酬をいくらにするか
  • 税金・社会保険料を含めて資金計画を作る
  • 設立後の届出期限を管理する

特に個人事業主から法人成りする場合は、会社設立だけでなく、個人事業から法人への資産・契約・経理の切替えまで考える必要があります。

そして、一人会社を作ると決めたら次に迷いやすいのが、「株式会社と合同会社のどちらを選ぶか」です。

次の記事では、設立費用だけではなく、信用・運営・役員任期・決算公告・将来の事業拡大まで含めて、株式会社と合同会社を詳しく比較します。

⚖️ 株式会社と合同会社で迷っている方へ

徹底比較 【2026年最新】株式会社と合同会社はどっちがいい?一人社長向けに費用・税金・違いを徹底比較

設立費用だけでなく、税金・役員任期・決算公告・経営の仕組み・将来の資金調達まで比較しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

biz-zeimu編集長(現役70社担当)のアバター biz-zeimu編集長(現役70社担当) 税務・会計メディア運営

東京都内の会計事務所に勤務する現役の税務・会計スタッフ。法人および個人事業主をあわせて常時70社以上の税務・会計実務をダイレクトに担当。現場で日々生じるリアルな決算・申告・経理課題の解決に携わる。

また、大学院において専門的な税法論文を執筆したバックグラウンドを持ち、法令に基づく厳密な理論と、現場の実務感覚の両面から正確な税務知識の追及を徹底している。

本メディア(biz-zeimu)では、多忙な一人社長や個人事業主に向けて、以下のノウハウを忖度なく発信。

・「知らなかった」で損をしないための実践的な節税対策
・クラウド会計ソフト(freee・マネーフォワード等)を活用したバックオフィス業務の劇的な効率化
・失敗しない税理士の選び方と賢い付き合い方

実務経験に裏打ちされた一次情報と論理的根拠に基づき、事業者が本業に集中しながら最短で利益を最大化するための税務・会計ガイドを提供する。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次