【2026年最新】カメラ・レンズ・マイクは経費?撮影機材の勘定科目・減価償却・家事按分を解説

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YouTube・SNS・ブログ・ネットショップ・Web制作など、 仕事で写真や動画を使う個人事業主にとって、 カメラ・レンズ・マイクなどの撮影機材は欠かせないことがあります。

一方で、 カメラはプライベートでも使いやすいため、

「仕事用に買ったカメラは全額経費?」
「30万円を超えたら減価償却?」
「レンズとカメラ本体は別々に経費にできる?」
「仕事でも旅行でも使う場合は?」

と迷いやすい支出でもあります。

さらに2026年4月からは、 一定の青色申告者が利用できる 少額減価償却資産の特例が「40万円未満」へ拡大 されているため、 古い情報だけを見て処理すると判断を誤る可能性があります。

この記事では、 個人事業主が購入した カメラ・レンズ・マイク・三脚・照明などの撮影機材 について、 経費になる条件・勘定科目・減価償却・2026年の40万円ルール・家事按分まで解説します。

まず結論

・仕事に必要なカメラ・レンズ・マイク → 必要経費にできる

・取得価額10万円未満 → 原則として使用開始した年に全額必要経費

・10万円以上20万円未満 → 通常の減価償却のほか、3年間の一括償却を選べる場合がある

・一定の青色申告者が2026年4月1日以後に取得 → 40万円未満なら少額減価償却資産の特例を使える場合がある

・40万円以上の高額機材 → 原則として減価償却

・仕事とプライベートの両方で使用 → 事業で使用する部分だけ必要経費

・カメラの法定耐用年数 → 一般的な「カメラ」は5年

目次

カメラ・レンズ・マイクは個人事業主の経費になる?

事業のために必要な撮影機材であれば、 カメラ・レンズ・マイクなどの購入費は 必要経費にできます。

たとえば、

  • YouTube動画を撮影する
  • SNS投稿用の商品写真を撮影する
  • ECサイトの商品画像を撮影する
  • カメラマンとして撮影業務を行う
  • オンライン講座を撮影する
  • Webサイト・ブログ用の写真を撮る
  • 顧客向け動画コンテンツを制作する

など、 売上を得るために撮影機材を使用している のであれば、 事業との関連性を説明しやすいでしょう。

ただし、 カメラを購入したという事実だけで 自動的に経費になるわけではありません。

趣味の写真撮影や家族旅行など プライベート目的で購入したものは、 原則として事業の必要経費にはなりません。

現役税務会計スタッフのワンポイント

「仕事でも使えるカメラを買った」ではなく、 実際にどの仕事で、どのように使用しているか が重要です。 撮影した商品写真・YouTube動画・制作物など、 事業利用を説明できる記録も残しておきましょう。

カメラの勘定科目は何を使う?

カメラの勘定科目は、 購入金額や処理方法によって変わります。

ケース 主な処理
10万円未満で即時経費処理 消耗品費など
減価償却するカメラ 工具器具備品などの固定資産
少額減価償却資産の特例を使う 固定資産として管理し、特例による必要経費算入
仕事・私用兼用 事業使用部分のみ必要経費

「消耗品費」という勘定科目を使えば 必ず一括で経費にできる、 というわけではありません。

税務上の処理は、 取得価額・使用期間・適用する制度 によって判断します。

10万円未満のカメラ・撮影機材

使用可能期間が1年未満のもの、 または 取得価額が10万円未満 の減価償却資産は、 原則として業務の用に供した年に 取得価額の全額を必要経費にできます。

たとえば、 仕事専用のマイクを88,000円で購入し、 すぐ仕事で使用し始めた場合です。

消耗品費 88,000円 普通預金 88,000円

などとして処理できます。

10万円以上20万円未満なら「一括償却資産」も選択肢

取得価額が 10万円以上20万円未満 の減価償却資産については、 通常どおり法定耐用年数で減価償却するほか、 一定の要件の下で 3年間で均等に必要経費にする一括償却資産 を選択できます。

たとえば、 180,000円のカメラを一括償却資産として処理する場合、 基本的には取得価額を3年間にわたって 3分の1ずつ必要経費にしていきます。

つまり、

180,000円 ÷ 3年 = 各年60,000円

という考え方です。

ただし、 一定の青色申告者であれば、 後述する少額減価償却資産の特例によって 一度に必要経費へ算入する方法も検討できます。

【2026年改正】青色申告者は40万円未満まで一括経費にできる場合がある

ここは2026年から大きく変わったポイントです。

一定の中小事業者に該当する青色申告者には、 少額減価償却資産の取得価額を 使用した年の必要経費へ算入できる特例があります。

2026年3月31日までに取得した資産では、 対象となる取得価額は 30万円未満 でした。

しかし、 2026年4月1日以後に取得した資産については40万円未満 へ引き上げられています。

取得時期 特例の取得価額基準
2026年3月31日まで 10万円以上30万円未満
2026年4月1日以後 10万円以上40万円未満

2026年4月1日以後、 2029年3月31日までに取得した対象資産について、 一定の要件を満たせば利用できます。

また、 この特例で必要経費にできる取得価額の合計には 原則年間300万円まで という上限があります。

2026年10月に35万円のカメラを購入した場合

たとえば、 一定の要件を満たす青色申告者が、 2026年10月に仕事専用カメラを 350,000円で購入したとします。

従来の「30万円未満」という情報だけを見ると 減価償却が必要に見えます。

しかし現在は、 対象者・対象資産などの要件を満たせば、 40万円未満の少額減価償却資産として 350,000円をその年の必要経費に算入できる可能性 があります。

40万円未満なら誰でも一括経費になるわけではない

40万円未満の特例は、 一定の要件を満たす青色申告者向けの特例です。 白色申告者や要件を満たさない場合にまで 「40万円未満なら全部経費」と考えないようにしましょう。

40万円以上のカメラは原則として減価償却

少額資産の特例などを利用できず、 高額なカメラ・撮影機材を購入した場合は、 原則として購入した年に全額経費にはしません。

固定資産として計上し、 法定耐用年数にわたって減価償却 します。

たとえば、 500,000円のカメラを購入した場合です。

このカメラを仕事で使用するのであれば、 取得価額を固定資産として管理し、 毎年の減価償却費を必要経費にします。

カメラの耐用年数は何年?

国税庁の耐用年数表では、 「器具・備品」のうち 光学機器・写真製作機器の「カメラ」 について、 法定耐用年数は 5年 とされています。

カメラ → 法定耐用年数5年

ただし、 実際の減価償却費は、

  • 取得価額
  • 取得・使用開始した時期
  • 償却方法
  • 事業使用割合

などによって変わります。

レンズはカメラ本体と別々に経費にできる?

ここも判断を誤りやすいポイントです。

たとえば、

  • カメラ本体:250,000円
  • レンズ:180,000円

を購入した場合、

「どちらも40万円未満だから必ず別々に一括経費」

と単純に判断できるとは限りません。

少額資産の金額判定では、 一般に 通常1単位として取引される単位 を基準に考えます。

カメラ本体・交換レンズ・撮影システムについても、

  • それぞれ独立して使用・交換できるのか
  • どのような形で購入したのか
  • 通常どの単位で取引されるものなのか
  • 一体として機能する設備なのか

など、 実際の取引内容を確認して判断する必要があります。

高額なセットを無理に分割しない

一体として購入・使用する機材を、 少額資産の基準内に収めるためだけに 請求書上のパーツごとに機械的に分割する のは避けましょう。 通常の取引単位・使用実態を基準に判断します。

マイク・照明・三脚も経費になる?

撮影や配信のために使用するものであれば、 カメラ以外の機材も必要経費になり得ます。

たとえば、

  • マイク
  • ワイヤレスマイク
  • 三脚
  • ジンバル
  • 撮影用照明
  • ストロボ
  • メモリーカード
  • バッテリー
  • 撮影用背景
  • カメラバッグ

などです。

比較的少額な周辺機材で、 税務上その年に全額必要経費にできるものなら、 消耗品費 などで処理する方法があります。

一方、 高額で長期間使用する機材については、 固定資産として減価償却が必要になることがあります。

なお、 すべての撮影機材が 「カメラと同じ耐用年数5年」 になるとは限りません。

機材の種類・構造・用途に応じて 該当する資産区分を確認しましょう。

仕事とプライベートの両方でカメラを使う場合

個人事業主の場合、 仕事用に購入したカメラを 休日の旅行・家族写真などでも使うことがあります。

このような場合は、 事業使用部分だけを必要経費にします。

これがいわゆる 家事按分 です。

国税庁も、 仕事と家庭の両方に関係する家事関連費について、 取引記録などに基づいて 業務上必要な部分を明確に区分できる場合には、 その部分を必要経費にできるとしています。

事業利用80%・私用20%の場合

たとえば、 撮影履歴や使用状況から、 カメラの利用割合を

事業用:80%

私用:20%

と合理的に説明できるとします。

この場合、 原則として 事業に対応する80%部分 を必要経費として考えます。

減価償却する資産であれば、 毎年計算した減価償却費のうち 事業利用分を必要経費にします。

現役税務会計スタッフのワンポイント

「なんとなく仕事80%」ではなく、 撮影日数・撮影回数・保存している写真や動画・案件記録など、 第三者にも説明できる基準 を使うことが大切です。 家事按分の割合は毎年の使用実態とも整合させましょう。

50万円のカメラを50%仕事で使えば25万円だから一括経費?

ここは注意してください。

たとえば、 500,000円のカメラを購入して、 事業使用割合が50%だったとします。

単純に、

500,000円 × 50% = 250,000円

だから

「40万円未満なので少額資産の特例を使える」

と判断するのは適切ではありません。

少額資産の基準を考える際は、 まず その資産自体の取得価額 を確認します。

そのうえで、 事業・私用で共用している場合には、 必要経費へ算入できる事業部分を区分します。

YouTuber・インフルエンサーならカメラは全額経費?

YouTubeやSNSから事業収入を得ており、 そのコンテンツ制作のために購入したカメラなら、 事業との関連性は比較的説明しやすくなります。

ただし、 YouTuberだからという理由だけで すべての撮影機材が自動的に100%経費になるわけではありません。

同じカメラを、

  • YouTube撮影
  • Instagram投稿
  • 家族旅行
  • 趣味の写真

にも使っているなら、 私用部分を除外する必要があります。

逆に、 仕事用スタジオに置いたままで、 業務撮影にしか使っていないカメラなら、 100%事業利用であることを説明しやすいでしょう。

開業前に買ったカメラは経費になる?

開業前にカメラを購入していて、 その後事業で使用し始めるケースもあります。

この場合、 購入時期・使用状況・開業前の私用状況などによって 処理が変わることがあります。

単純に 「開業前に払ったから全部開業費」 とはしません。

カメラのような減価償却資産については、 固定資産としての取扱いや 事業へ転用した時点の処理を確認する必要があります。

カメラをクレジットカードで購入した場合

事業用クレジットカードで カメラを購入した場合でも、 購入金額の判定や減価償却のルールは変わりません。

たとえば、 500,000円のカメラをカードで購入したからといって、 カード引落日に500,000円を そのまま経費にするわけではありません。

資産として計上する場合には、 購入・使用開始に応じて固定資産を計上し、 後日のカード引落しでは 未払金を消す処理を行います。

領収書・レシートは保存しておこう

カメラ・レンズなどを経費にする場合は、

  • 購入日
  • 購入先
  • 商品名
  • 金額
  • 事業での使用目的

が確認できるようにしておきましょう。

通販サイトで購入した場合には、 領収書・請求書・利用明細などを 電子データで受け取るケースもあります。

電子取引として受け取ったデータについては、 電子帳簿保存法上の保存ルールにも注意してください。

高額な撮影機材は会計ソフトで固定資産管理すると便利

カメラ・レンズなどの高額機材が増えると、

  • 取得日
  • 取得価額
  • 耐用年数
  • 減価償却費
  • 未償却残高
  • 事業使用割合

などを管理する必要があります。

さらに、 10万円未満・20万円未満・40万円未満などで 処理方法が分かれるため、 固定資産が増えるほど手作業での管理は複雑になります。

対応するクラウド会計ソフトでは、 固定資産を登録して 減価償却費の計算・決算書への反映を行えるものがあります。

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カメラ・撮影機材の経費チェックリスト

□ 事業で使用していることを説明できる

□ 趣味・私用だけのカメラを経費にしていない

□ 取得価額が10万円未満か確認した

□ 10万円以上20万円未満なら一括償却資産も検討した

□ 青色申告者は40万円未満の特例を確認した

□ 40万円以上などは減価償却を確認した

□ 本体・レンズ等の取引単位を確認した

□ 私用と兼用なら合理的に家事按分した

□ 領収書・請求書を保存した

□ 電子で受け取った証憑は電子データで保存した

よくある質問

Q. 仕事用カメラは全額経費になりますか?

仕事だけで使用するカメラで、 事業との関連性が明確であれば、 原則として事業用資産として必要経費の対象になります。

ただし、 購入金額によっては 一度に全額必要経費にせず 減価償却が必要です。

Q. 35万円のカメラは一括で経費にできますか?

2026年4月1日以後に取得した資産については、 一定の要件を満たす青色申告者であれば、 40万円未満の少額減価償却資産の特例 を利用できる可能性があります。

年間300万円までの上限など、 適用要件を確認してください。

Q. 白色申告でも40万円未満なら一括経費ですか?

いいえ。

40万円未満の少額減価償却資産の特例は、 一定の要件を満たす青色申告者向けです。

白色申告の場合は、 10万円未満の少額資産や 10万円以上20万円未満の一括償却資産など、 利用できる制度を確認します。

Q. カメラの耐用年数は何年ですか?

国税庁の耐用年数表では、 一般的な「カメラ」は 5年 とされています。

Q. レンズを別で買えば別々に金額判定できますか?

必ず別々になるとは限りません。

少額資産の判定では、 通常どのような単位で取引されるものなのか、 独立して機能するものなのかなど、 実態を確認する必要があります。

Q. カメラを仕事70%・私用30%で使っています

事業利用部分を合理的に区分できるのであれば、 原則として 事業部分に対応する金額 を必要経費にします。

使用日数・撮影回数・案件記録など、 割合の根拠も残しておきましょう。

Q. 趣味で買ったカメラを後から仕事でも使い始めたら?

個人用として所有していた資産を 後から事業へ転用した場合には、 当初から事業用として購入した場合とは 減価償却の計算が異なることがあります。

購入金額・購入時期・使用開始時期・それまでの使用状況を確認して処理しましょう。

まとめ|撮影機材は「事業利用・金額・私用割合」の3点を確認

カメラ・レンズ・マイクなどは、 仕事で実際に使用していれば 必要経費にできます。

ただし、 購入した年に全額経費にできるかどうかは、 取得価額や利用できる特例 によって異なります。

さらに、 プライベートでも使用する場合には、 事業部分だけを合理的に区分することが重要です。

この記事のまとめ

・仕事に必要なカメラ・レンズ・マイクは経費にできる

・10万円未満なら原則その年に全額必要経費

・10万円以上20万円未満なら3年間の一括償却も選択肢

・2026年4月以後は一定の青色申告者なら40万円未満の特例を利用できる場合がある

・特例には原則年間300万円までの上限がある

・一般的なカメラの法定耐用年数は5年

・仕事と私用で共用するなら家事按分する

・本体とレンズを恣意的に分割して少額判定しない

現役税務会計スタッフのワンポイント

高額な撮影機材では、 「経費になるか?」と「今年いくら経費にできるか?」は別問題 です。 事業利用できる資産でも、 金額によっては固定資産として減価償却します。 特に2026年4月から40万円未満へ拡大された特例は、 古い記事との違いが大きいため取得日まで確認しましょう。

撮影機材の経費で迷っているケースはありますか?

「本体とレンズを同時に買った」 「仕事と趣味の両方で使っている」 「40万円未満だけど青色申告なら一括経費?」など、 記事を読んでも分かりにくかった点があればコメントで教えてください。 今後の記事・FAQ作成の参考にさせていただきます。

参考:公的情報

減価償却・少額減価償却資産・家事関連費については、 国税庁の最新情報も確認してください。

No.2100 減価償却のあらまし|国税庁

主な減価償却資産の耐用年数(器具・備品)|国税庁

No.1350 事業所得の課税のしくみ|国税庁

No.2210 必要経費の知識|国税庁

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この記事を書いた人

biz-zeimu編集長(現役70社担当)のアバター biz-zeimu編集長(現役70社担当) 税務・会計メディア運営

東京都内の会計事務所に勤務する現役の税務・会計スタッフ。法人および個人事業主をあわせて常時70社以上の税務・会計実務をダイレクトに担当。現場で日々生じるリアルな決算・申告・経理課題の解決に携わる。

また、大学院において専門的な税法論文を執筆したバックグラウンドを持ち、法令に基づく厳密な理論と、現場の実務感覚の両面から正確な税務知識の追及を徹底している。

本メディア(biz-zeimu)では、多忙な一人社長や個人事業主に向けて、以下のノウハウを忖度なく発信。

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・クラウド会計ソフト(freee・マネーフォワード等)を活用したバックオフィス業務の劇的な効率化
・失敗しない税理士の選び方と賢い付き合い方

実務経験に裏打ちされた一次情報と論理的根拠に基づき、事業者が本業に集中しながら最短で利益を最大化するための税務・会計ガイドを提供する。

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